【個人事業主の確定申告】決算書とは何か。その読み方のポイントをお伝えします

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学生時代、学期末に渡される通知表。必ず中を見ましたよね。友達とも見せ合いましたし、親に見せるのがちょっと嫌だったり 笑。事業を経営すると必ず作成し提出する決算書。まさにこれが会社(事業)の通知表です。

見方がよくわからなかったり赤字だったりすると見る気がしませんが、通知表なので必ず見ましょう。そこに大切な事業のヒントが隠されています。

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決算書は経営者の読み物です

損益計算書の見方とポイント

決算書は損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)のセットになっています。まずは事業のお金の流れや売上原価・費用(儲け)が読み取れる損益計算書から見ていきましょう。

例えるなら、こちらはレジ金の流れのようなものです。日々の業務に照らし合わせればすぐに理解できますよ。

【重要】売上総利益を確認しましょう

損益計算書で一番大切なのは売上総利益の確認。売上と仕入原価を差し引いた粗利のことです。経費削減などとよく言われますが、その前にこちらの確認・改善の方が圧倒的に大切なんです。「節電を心がけよう」という取り組みもいいですが、利益を上げるには粗利を1%でも伸ばすことに目を向けてください。

売上を作る原価が適正かどうかの基準は、まず前年と比較してみることです。売り上げに対する原価の割合を出せば好転したか悪化したか一目瞭然です。そして大切なのがその原因です。次はその原因を探ってみましょう。

勘定科目内訳書が参考書です

勘定科目内訳書がない場合は、仕入帳を見てください。

昨年の仕入帳と照らし合わせて、取引の割合が大きく変わった仕入先や新しく取引が始めた取引先をチェックしてみましょう。何かの商品にはとても強く他社よりも割安ですが、取引全体を見直すと割高になっているっていうことはよくあることです。

日々の取引の中では気づかなくても、一年のトータルで見ると気づくことがあります。こうしたことを発見して改善できるのが決算書を見ることの大きな利点です。

【重要】売上原価に含むべきもの

もう一つ売上原価で考えてほしいことは「原価に含まれるべきものは何か」ということです。例えばラーメン屋さんでしたらガス代などの光熱費は原価に入れるべきでしょうね。商品として製造するのにかかった費用ですから含めるべきです。売り上げが伸びて製造が増えれば比例してコストも増えるわけですから原価に含むべきです。逆にこちらが一般の経費に入っていると不自然な数字になり、間違った判断をしかねません。

売上原価に対してここまでこだわるのは事業の中で核となる部分だからです。事業発展に欠かせない人材の育成も毎月の固定費も販売促進の諸経費もすべて粗利から出ていますので、売上総利益は重点的にチェックしてくださいね。

諸経費は固定費と流動費に分けて読み取る

原価の項目を読み終わったら諸経費についてですが、ここでは大きく二つに分類して読み取りましょう。固定費と流動費です。つまりは、売上が上がっても下がっても変わらずかかる費用と売上を伸ばすために取り組んだ結果としてかかった費用のことです。これをしっかり分けてから分析しましょう。

固定費・流動費の内訳

家賃、リース代、新聞図書費などの毎月定額でかかる費用が固定費です。まずはそちらを合わせて年間どのくらい支出しているのか把握しましょう。中には年に一度という費用もあるはずです。例えば同業者組合の年会費などですね。

次に毎月変動する費用を一つ一つ見ていきましょう。大切なのはどのくらい効果があったかということです。一年のことなので忘れていることもあると思いますから、領収書を確認するか従業員がいれば聞いてみるのもいいでしょう。

特に分析が難しいのが広告費です。
一体効果があったのかなかったのか。どの広告媒体が効果的だったのか。非常に曖昧な費用と言っていいでしょう。クーポン券を発行しているフリーペーパーのように、回収できる要素があればある程度のレスポンスはわかるのですが、そのフリーペーパーを見てのお客様でも必ずクーポン券を持参するわけではないので、独自に判断しなければいけない費用になります。判断の難しい経費ですね。

混在している経費は自分なりに分けましょう

そしてポイントになるのが混在している費用(科目)です。通信費、消耗品費、人件費…と、費用(科目)ごとに呼び方を変えて一括りになっていますが、実は細かく分けられる費用があります。例えば経理の従業員の給料は固定費といえます。営業マンの給料は売上に直結するので正確には流動費です。これは事業によっても営業スタイルによっても変わりますので、経営者の判断でそれぞれ分けてみるべきです。

流動日の内容の見直しですが、先行投資的な費用はその年度掛かり過ぎていても仕方ないですが、あらかじめ事業全体の何%までと決めておくべきでしょうね。感覚ではなくしっかり数字として決めておくべきです。

*余談です
広告は瞬間風速の売り上げが立つので、麻薬的な危うさがあります。あまり頼り過ぎていると、もう毎月掲載しないといけない強迫観念にかられてしまいます。利用しないと来月大変なことになるんじゃないかという不安がよぎるものです。エスカレートして広告業者も増やしていくようになったらもう離れられません 笑。こうした歯止めになるのが費用の割合の設定です。事業規模に対しての広告割合を年間でしっかり決めておくことが大切ですね。
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貸借対照表(バランスシート)とは


出典元:国税庁

貸借対照表は事業の金庫です

損益計算書が日々のレジ金の流れで貸借対照表は事業の金庫の中身です。対外的に決算書を提出して分析されるのはこちらです。

はじめての取引の際や金融機関に求められた際など、まずは貸借対照表を見られることになります。通知表でいえば損益計算書が科目ごとの成績で、貸借対照表がその人の学力ランクといったところです。それでは事業を判断されることになる貸借対照表についてポイントを説明していきます。

貸借対照表でわかること

貸借対照表はバランスシートとも呼ばれ、そのままズバリ資産と負債・資本のバランスを表しています。簡単に説明すると、どんな資産がありその資産を生むためにどうやって資金を調達したかがわかるようになっています。

どんなに順調に成長しているように見える事業でも、残った資産よりも負債が多く内容的には実は赤字だったということはよくあることです。

借りたお金で事業を継続しているということもすぐわかります。それをきちんと返済していけるだけの体力が事業に備わっているかもわかりますので、経営者自身がしっかり読み取れるようになりましょう。

資本の部(純資産)が大切です

左側の資産はそのままズバリ銀行の残高や現金の残高などで、右上の部分が借入金などの負債ですね。そして肝心なのが右下の資本の部です。ここが事業の純資産を表しています。

純資産とは事業で発生した利益の積み重ねがどれだけあるかということ。正確にいえば稼いだ利益がどれだけ残っているかということです。つまりこれが事業の体力ですね。

個人事業主の確定申告書でしたら、右下に事業で発生した事業所得が記載されます。そして左下には生活費で支出した事業主貸が記載されます。事業主貸を差し引いても残る金額が事業としての蓄えになることは分かりますよね。

重大な問題点の見つけ方

会計事務所時代に欠かさずチェックしていた項目があります。何もないことに越したことありませんが、経営者になったら必ずチェックして欲しい箇所がありますので説明していきます。

【重要】店主貸・社長勘定の行方

左下の事業主貸。つまり経営者が生活費などで使ったお金です。まずはこの流れを科目の内訳帳から確認してください。身に憶えのない大きな支出はないでしょうか?それともう一つ。

会社になっていれば負債の方に社長勘定という科目があります(科目の呼び方はまちまちです)。事業主(社長)が事業(会社)に貸し付けている金額です。こちらも内訳をチェックして大きく減っているところはないですか?

経理も経営者が行っていればチェックする必要ないのですが、自分で整理していない方はチェックしてみてください。会計事務所時代に何件か不審なお金の流れを発見して、社長に確認してもらった結果、残念な結果だったことがあります。こうしたことは早く見つけるに越したことがないので、決算時に限らずチェックするシステム、または習慣をつけるようにしてください。

経理担当者の考え方

個人事業主で事業を行なっている方は、かなりの確率で経理は奥さんかお母さんといった身内が受け持っています。こうした場合は例えば奥さんがギャンブルで使い込んでしまったとしても、身内ですから生活費といえば生活費です 笑。

ただ、見込んでいた資金がなくて事業に影響が出るようなことだけは避けてください。あとは身内ですから話し合いで解決しましょう 笑。

*事業の採点をつける基準
自己資本比率という単語をよく聞くと思いますが、貸借対照表の右側の部分で右下にあたる純資産の割合が高ければ高いほどいいです。つまりは借入金でなく事業で儲けたお金でしっかり運営していることになります。また左側の資産の中で現金・預金などのすぐに現金化できる資産(流動資産)の割合が高いことも評価されます。流動資産が流動負債(右側の上の部分)の150%ほどあればかなり健全と判断されますよ。

キャッシュフローについて

独自の管理をお勧めします

キャッシュフロー計算書は上場企業が決算時に上記の2点と合わせて提出義務があります。ほとんどの企業に当てはまりませんからその計算書の読み方や作成方法は省きます。ただし実際現場で必要な資金の流れを把握するのに、独自に儲けておくべき集計表がありますからそちらの説明をします。

当月の支出を事前に把握しておく

収入や経費には現金決済もあれば、締め支払いの周期があるものもあります。事業によっては手形などもあるでしょう。事業は順調に推移しているのに資金がショートしてしまうことがあります。最悪の結果は黒字倒産です。

事前に資金の流れを把握していなかったために、支払いの遅延などで信用を大きく落とすようなことがあれば事業にとって取り返しのつかない大ダメージとなります。

そうならないために、今月発生した売上(経費)、今月入金(支出)する金額、そして残高の3つに分けて一つ一つの取引を管理してください。これは最低当月中に来月の分まで把握できますから、資金の調達が必要な時など事前にわかります。いろんな形で皆さん管理していますが、現金決済以外の取引が出てきた段階から取り組みましょう。

【助成金・補助金】創業資金をスムーズに調達する手順と自己資金
<p><div style=" color: black; background: #ffdbc9; padding: 20px; border: 2px dashed rgba(255 , 255 , 255 , 0.5);-moz-border-radius: 6px; -moz-box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); -webkit-border-radius: 6px; -webkit-box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); border-radius: 6px; box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); font-size: 100%; ">起業を目指す人が利用する創業資金。起業家のスタートアップ資金政策として昔からありますが、実態は融資のハードルが高いのが現状です。それでも起業家にとっては利用できれば利用したい制度ですよね。実際手続きを進めると複雑に感じる制度ですが、なるべくスムーズに調達できる手順を紹介します。</div></p><br> <p><h2>創業資金(スタートアップ融資)とは</h2><br> <img src="micheile-henderson-FpPcoOAk5PI-unsplash"></image><br><br> <h3>起業家に向けた制度ですが</h3><br><br> 国策として起業家をバックアップしようという名目で創業資金に関わる制度はいくつもあります。しかし実態はとても厳しいハードルが仕掛けられています。<b>創業前に創業資金制度の利用を100%資金計画に入れてしまっている方は特に注意してください。</b><br><br> 実際の実行まで至る確率は3割程度といわれています。私の会計事務所時代も含めての肌感覚でいえばもっと低いです。つまり地方の方がさらに低いということです。なぜこれほど実行されずらいのか。これは金融機関のスコアリングという健全化の指標があり、不確定な融資は極力避ける傾向にあるからです。<br><br> バブル崩壊後にあった金融機関の破綻などが大きく影響していますが、銀行本来の使命が全く機能していないともいえますね。ですから一般的な銀行や信用金庫・信用組合からの調達は最後に説明します。<br><br> <h3>日本政策金融公庫一択</h3><br><br> <font color=”0000ff”>&#x2714;</font><b>創業資金の利用については日本政策金融公庫一択です。国の機関ですから前述した金融機関内部の事情もありませんので利用するならまずはこちらから申し込みましょう。</b><br><br> <b>国が100%出資している機関なので融資に限らず補助金制度もあります。</b>まずは該当しそうな資料(申込書)を手当たり次第いただきましょう。コロナ禍でどんどん制度が刷新していますので日本政策金融公庫のホームページはまめにチェックしてくださいね。(政策の更新などでリンク先が随時変更になるので貼れません)<br><br> <font color=”0000ff”>&#x2714;</font><b>新たに刷新された創業資金制度の「新創業融資制度」。こちらの申し込みが融資までのハードルが下がっていておすすめです。</b><br><br> <p><div style=" color: black; background: #ffdbc9; padding: 20px; border: 2px dashed rgba(255 , 255 , 255 , 0.5);-moz-border-radius: 6px; -moz-box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); -webkit-border-radius: 6px; -webkit-box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); border-radius: 6px; box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); font-size: 100%; "><b>何といっても求められる自己資金の額が融資金額の10分の1まで引き下げられたことです。</b>最高3,000万円までの制度ですが、実際に起業に向けて必要な資金はそこまで必要ない方が圧倒的だと思いますので、仮に300万円の希望でしたら自己資金は30万円。これはかなり現実的な額ではないでしょうか?申込書の記載は簡単ですからまずは申し込みして受け付けてもらいましょう。</div><br><br> <font color=”0000ff”>&#x2714;</font><b>コロナ禍の環境ですから資料はダウンロード申し込みは郵送になります。</b></p><br> <p><!-- /wp:paragraph --></p> <div style="margin:0em ;display:inline-block;position:relative;top:3px;padding:0 .5em;height:1.5em;line-height:1.5em;color:#990000;background:#ffdbc9;font-weight:bold;text-align:center;border-radius:5px 5px 0 0;">*ジジィの愚痴です(スルーしてください)</div> <div style="background:rgba(255,255,255,0);border:solid 3px #ffdbc9;border-radius:0 5px 5px;padding:20px;font-size: 100%;">実際どんなビジネスの現場でも、名前の通った大手と新規参入のどんな会社かもわからない取引先だと扱いが違いますよね。それと同じといえばそれまでですが、長く商売をしていると金融機関の保全重視体質には本当にあきれます。過去に年商24億円くらいあった時に2,000万円まで無担保・無利息で融資させてくださいということがありました。取引実績が欲しかったんだと思います。事業として資金を必要としていのはもっと前の段階です。もちろんリスクもありますからハードルが高くなるのは致し方ありませんが、あくまで保全保全のスタンスが本来の業務からかけ離れてしまっている気がしてなりません。「地域に根ざした」とか「創業者を応援します」とかいうフレーズはどこかの政治家の公約かと思ってしまいます 笑。いつまで経ってもしっくりきませんね。</div></p><br> <h2>事業計画書と面談が最も大切</h2><br> <img src="micheile-henderson-FpPcoOAk5PI-unsplash"></image><br><br> <h3>面談のポイントと注意点</h3><br> <font color=”0000ff”>&#x2714;</font><b>制度利用に関して最も大切なのが<a href=“https://happydaichi.com/business-plan/“ title=“【創業資金】事業計画書の書き方" target="_blank" rel="noopener">事業計画書</a>と面談になります。というか、もうこれが全てと言ってもいいくらいです。</b><br><br> 面談での注意点は2つ。コンサルタントや税理士などに事業計画書の作成を依頼した場合。ディスカッションして作成したと思いますが、<b>しっかりその内容を確認しないと</b>いざ面談の時に書類と違うようなビジョンや計画を伝えてしまわないことです。<br><br> もちろん人が作る書類なので上手くニュアンスが伝わらず、内容が全く違う感じで出来上がってしまうこともあります。面談前にしっかりと確認するようにしましょう。<br><br> もう1つは<br>b>背伸びして実際の計画にはないようなことを伝えてしまわないように。</b>そうそう金融機関との面談の経験はないと思いますので(特に起業する場合)、不意な質問などですぐに回答できないような事は、一旦持ち帰って回答する方が得策でしょう。<br><br> <div style=" color: black; background: #ffdbc9; padding: 20px; border: 2px dashed rgba(255 , 255 , 255 , 0.5);-moz-border-radius: 6px; -moz-box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); -webkit-border-radius: 6px; -webkit-box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); border-radius: 6px; box-shadow: 0 0 0 5px #ffdbc9; , 0 2px 3px 5px rgba(0 , 0 , 0 , 0.5); font-size: 100%; ">これからもお付き合いしていくことになりますので出来る約束をしましょう。しっかりと「何をどうしてどうなりたいか」ということをその「手段」と合わせて説明してください。もちろん経営者としての熱意を持ってお伝えくださいね。</div><br><br> <font color=”0000ff”>&#x2714;</font><b><a href=“https://happydaichi.com/business-plan/“ title=“【創業資金】事業計画書の書き方" target="_blank" rel="noopener">事業計画書についてはこちらを参考にしてみてください</a></b></p><br> <h3>飲食店事業者にも融資支援のチャンスです</h3><br><br> </p> <p><h2>信用保証協会・商工会議所の利用</h2><br><br> <h3>コンサルタント利用について</h3><br> </p>

決算書の読み方のポイントのまとめです。

決算書を読めるようになるとわかることは、まずは今期の成績。そして事業(企業)の体力。成長度合いを確認できます。成長度合いは貸借対照表の固定資産(左下)が増えているかという見方でもいいです(営業用の車が増えていたりするとこちらが増えます)。融資の際には金融機関はもっと細かい指標で判断しますが、経営者としては今回のポイントはしっかり押さえて読めるようになりましょうね。
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