前回の記事では既存店からキッチンカー導入の流れが逆転していて、キッチンカーからはじめて実店舗を持つという流れが押し寄せてきていることを紹介しました。
いち早く実店舗を持ち、運営のしやすさはもちろん、相乗効果を生んで更なる利益向上を実現して下さい!
というのも、パンデミックから不安定な社会ですから、今後の消費スタイルがどう変化しても対応できる体制を今のうちに作り上げてほしいからです。
今回は実際に立ち上げるにあたってのポイントをお伝えします。
※このページから読む方は、ぜひ前回も参考にして下さいね
最大のポイントを理解する!
もう一度だけ読んでください
商売を始めて、もちろん聞いた事あれば意味を理解している方でも、面倒でももう一度読んでみてください。
- 固定費
- 流動費(変動費)
についてより深く知ってほしいのです。
キッチンカーから起業した方は実体験として、まだ経験していないのと一緒です。知識として知っているだけでは不十分なのです。
とにかくここさえしっかり理解して、店舗運営の最大のポイントだと認識してくれれば幸いです。
固定費を集中的に理解する
店舗運営には固定費と流動費がありますが、ポイントは固定費!ここをしっかり理解しましょう。
読んで字の如く、売上によって変動する費用が流動費で、売上が高くてもゼロでも変わらないのが固定費です。
固定費の例を挙げると
- 家賃
- 駐車場代
- リース料金
- ごみ収集などの定額費用
- 光熱費や通信費の基本料金
- 給料の月給(正社員)分
- 金融機関への返済金
- 火災・損害保険料など
※返済金は費用ではありませんが、ここで入れて説明します。
※この他にも減価償却費などがありますが、今回は説明を省略します。
改善は容易ではないこと
店舗の賃貸契約からはじまり、お住まいの地域のインフラの基本料金や保険会社との契約、借入金の毎月の返済額、リースでの設備の導入や事務機器の導入契約は、締結してしまえば基本的に変更できません。
もちろんそんな事は知っていると思いますが、毎月いくらになりますか?
また、人の雇用が必要な場合はアルバイト・パートからの雇用にすること。これも必須です!お店が成長してきたら晴れて正社員として向かい入れて下さい。
余談ですが、思い描いていた運営が出来ず正社員を解雇してしまうと、ペナルティがある事も憶えておいて下さい。
流動(変動)費を理解する
それでは売上金額に応じて変動する費用を出してみましょう。
流動費の例を挙げると
- 商品原価
- お客様用消耗品(おしぼり・紙ナプキンなど)
- 店舗消耗品(ゴミ袋・洗剤・電球など)
- アルバイト・パート代
- 事務用品・衛生費
- 売上に応じた光熱費・通信費
- 広告や割引などの販売促進費
書き出したらキリがありませんが、ぜひ自分の店舗を始める際には、細かいものまで書き出して下さい。
売上と直接比例するのはもちろん原価なのですが、扱う商品によっては包装資材や光熱費も原価に入れて構わないです!材料費でなければいけないなんて法律はありません。自分のお店の実情にあった内容を原価としましょう。
売り上げを逆算してみる
売上から原価を引いた金額(粗利)から、その他の流動費を引いて下さい。
売上のパターンを3つくらい作り、それぞれ出してみましょう。
上記の固定費は賄えましたか?
売上がどの時点で賄えたでしょうか?
仮に月25日営業して、売上100万円で賄えたんでしたらアベレージで4万円です。客単価1,500円なら27客です。新規開店で毎日来店される客数ですか?
まわりのお店も同じように試行錯誤を繰り返して営業されています。近隣店舗の客数を自分の店舗の当てはめてはいけません。
実績ゼロからですから、固定費を極力抑えた状態で始めるべきです。
つまり、人は雇わず小さなお城からです。雇ってもアルバイトからです。
流動(変動)費は改善できる
固定費は改善できませんが、流動費については改善できます。
一番の近道は、仲の良い経営者に聞くことですね!「そんなに安く済むんだ」という情報を頂きましょう。当たり前に思ってた費用が全然安く済むことってよくあることです。
それと、主婦の方は本当に毎日の費用抑えるのがうまいので、その都度聞いてみるのもオススメです。
広告宣伝費は費用対効果が一番見えづらい費用です。
なおかつ「毎月何かしらの広告を打たないと」という麻薬性があります。一概には言えませんが、そうした背景から僕は昔から広告を打たない主義です。参考までに。
お店の質を落とさないことに繋がる!
最初はかけていた費用を削ったり、商品を劣化する方で見直したりするのは、結局お店としてのサービスやクオリティを下げることとなり、負のスパイラルの始まりです。
お客様は敏感なもので、そうした事はすぐ伝わります。
昨日よりいいサービス、質の高い商品を提供する為に、最初のハードルを思いっきり下げてスタートして下さい。
失敗例から学びましょう
今年(2022年)だけでも、こちら北海道でキッチンカー起業から店舗経営まで辿り着いた経営者の方は半数くらいになったのではないでしょうか。
決して大袈裟ではない割合です。
そしてあっという間に閉めてしまったお店が多すぎる!原因の大多数がこの記事で触れている事です。
そのくらい間違えやすい事だと理解して下さいね。
特に軽視してしまう
キッチンカー販売の固定費の低さから、それが当たり前のように感じてしまい軽視しがちですので、店舗運営は全く別の商売くらいの勢いで捉えていて下さい。
しっかり理解することで、キッチンカー始めたばかりの経営者が店舗を持つ資金を、なぜ短期間で稼げているのか理解できることでしょう!
つまり固定費が軽ければ軽いほど運営は楽ですし、きちんと貯めれば貯金もしっかり貯まるという事です。
小さく始めること!
外食を控える風潮にある今だからこそ、小さく始めることは必須です。大きな店舗を構えるのは、しっかり稼いで資金を作ったり、人気店になったり、時代の変化で消費者の動向が変わるなどしてから考えましょう。
特に店舗運営初心者なのですから、しっかり経験を積んで、その難しさを身をもって体験してからにしましょう。
信用という付加価値
前回の記事で、店舗立ち上げによるプラスの効果を紹介しましたが、キッチンカーでの出店先開拓や、大手デベロッパーには店舗も構えているということが大きな信用になります。
これは目に見えない大きなメリットです。
対企業へ営業経験がある方は肌で感じると思いますが、受け取ってもらう名刺が法人と個人では反応が違うじゃないですか。ざっくり言えばそれと同じですね。
大手百貨店のバイヤーさんも、直接店舗へ来店してくれる事もあります。これは、店舗のホームページも同じで、SNSだけではなく簡易的なホームページで構いませんので作成することをお勧めします。
お店が成長する喜び
リストラも必要な経費を削減することも反対です。きっと皆さんもそうでしょう。
どんどんお店を成長させて、凝ったお店にしたいでしょうし、スタッフも賑やかにしたいことでしょう。
どんな小さな進化でもお店が成長するのは、自分にとってもスタッフにとっても、常連のお客様にとってもとても大きな喜びです。
なので尚更最初は小さく始めて下さいね。