チェーン展開といえば、ラーメンやカレーなどに特化し幅広く展開するパターンが定番でした。
利用者からすると知名度も味も安心感がありますからね。
コロナの感染拡大でそうしたスタイルの店舗縮小が目立つ中、厳しい状況にある飲食業界でおすすめしたいスタイルはドミナント出店。
コロナ禍に生き残る手段は「大きく広げず小さく集中する」戦略が吉。
コンビニチェーンの初期で用いられているドミナント出店が刺さります。
ドミナント戦略とは
ドミナント戦略の解説
ドミナント戦略の代表的な例で挙げられるのが、コンビニチェーンの出店戦略として成功したモデルだということです。
狭い地域に集中的に出店するということです。
その最大の目的は、地域での一番店になってしまうということです。
小さな資本の事業が成長するのに向いているといわれています。
今ではセブンイレブンは全国どこでもあるのでピンと来ないかもしれませんが、ここまで成長を遂げたのはドミナント戦略を活用したからです。
コロナ禍の現在、通常のドミナント出店ではなくネット通販が溢れていて情報過多の時代に合わせたスタイルが求められます。
コンビニの売り上げは落ちています
コロナ禍でコンビニの売り上げも前年比10%減の月もあり、厳しい経営を迫られています。
しかし、ここまで成熟したコンビニ業界の落ち込みがイコール、ドミナント戦略の現状とはいえません。
僕の経営している店舗でも採用している、地域に集中出店することでのメリットをお伝えします。
今までのドミナント出店から変化させるポイントは「店舗ごとに違う形態を採ること」と「地域の選定」です。
ドミナントのメリットとデメリット
集中型の出店戦略におけるメリットとデメリットを挙げます。
あくまで理想的なのは、集中する地域での一番店になること。
一番店になることで得られる利益がありますので、この戦略を用いる際はそこまで可能かどうかも検討してください。
ドミナント戦略のメリット
- 店舗従業員の柔軟な勤務体制
- 顧客の回遊性が増す
- スケールメリットを得られる
- 地域特化のサービスを打ち出せる
小さな商圏で集中的に出店することにより、スタッフのシフトも移動も柔軟に取り組めるようになります。
お客様の姉妹店への回遊性も、スタッフを知ってもらうことや姉妹店ならでのサービスを盛り込んで増すことができます。
仕入れなどの費用の部分でも、取扱量の増加から値引きはもちろん新店舗の協賛やノベルティの優先的な供給も見込めます。
各店の商品価格帯や利用時間などの情報を共有できるので、いち早く地域での効率的な営業スタイルを確立できます。
ドミナント戦略のデメリット
- 売上が分散されて一店舗あたりの売上は落ちる
- 地域での大きな変動があった場合は全体に負荷がかかる
ドミナント出店のデメリットとして必ず上記の2点は指摘されます。
この弱点克服にはどういった変化が必要でしょうか?
変化を与える2つのポイント
業態の変化をつけること
客数はどの地域でも大幅に減少しています。
アフターコロナという言葉がありますが、決してコロナの終息をアテにしてはいけません。
今の状態が当たり前だと受け入れて営業しましょう。
特に団体客の宴会を見込んでの店舗運営は危険です。
仮に宴会が取れても、感染拡大の防止策をしっかりとれなければ元も子もないのですから。
出店する形態は、小料理屋、居酒屋、立ち飲み屋、バー、カラオケスナックなど必ず違う形態を取ること。
同じ地域で同じ形態のお店を営業できるほど、お客様は戻ってこないと覚悟しましょうね。
集中する地域の選定をしっかりすること
集中出店するわけですから、どの地域にするかが大きな決断です。
分譲住宅や都市開発などで人口が増えていく地域もあれば、今は人口が多くてもこの先人口減を迎える地域もあります。
新しい幹線道路や橋などの建設の計画などを調べましょう。
また、既存店で同じような展開をしている企業があれば見送るべきですね。
その地域での地盤を作り上げているドミナント店は強いです。
ドミナント戦略の一番の強み
ドミナント戦略の一番の強さはお客様の居心地の良さです。
接客・サービスの教育に自信がなければオススメできません。
自分がお客様の立場だったらと考えれば簡単なことです。
今日はちょっと贅沢に小料理屋、次回は焼き鳥屋からバーで一杯というようにバリエーションがあって、どこに行っても常連客ならではの気持ちいい接客を受けたいものです。
そうした居心地の良さを提供できるようになれば、今までより利用回数が減っても団体客が取れなくても生き残っていけるはずです。
取引先も厳しいはずです。その分サポートも見込めますよ。
ドミナント戦略のまとめです
- ドミナント戦略とは
- ドミナント戦略のメリット・デメリット
- 業態の変化をつけること
- 地域の選定が大切
- ドミナント戦略の一番の強みとは
一昔前は弱者の戦略だといわれていた経営方法です。
もちろん今もそうなのですが、特色をプラスしていかなければ難しい時代になってしまいました。
居酒屋チェーンなどによく取り入れられていましたが、まわりの状況をみても同じ形態では厳しいです。
今までなら和食なら和食だけで通用していたのが、違う分野の勉強ももちろん必要になってきます。
地域一番店が目標なのでどんどん勉強してくださいね。