一着の古着でも、生ビール一杯でも、webライティングの文字単価でも定価は存在しません。
生まれた頃から買い物に行くと定価が表示されているので、販売価格って決まっていると勘違いして育ちますよね。
そもそも日本独特の販売方法なのでこの常識を取り払いましょう。
すべてはオープン価格で、大切なのは価格の決め方です。
「アパレルは価値観」「ネットは実績」「飲食はサービス」が価格を決めます。
定価という概念を忘れる
オープン価格が当たり前です
時代劇でよく出てきた商人の越後屋が定価をはじめて導入した歴史があります。
古すぎて伝わらないかな 笑。
いずれにしても日本独自の販売手法で、販売価格を決めることで経営管理しやすくするためなんですよね。
その後、独禁法に触れる事項もあるので「メーカー希望小売価格」などと呼び方を変えていったわけです。
そんな歴史の話はこのくらいにして、それぞれの業種ごとに定価という常識から抜け出す考え方をお伝えします。
アパレル:買い付けに行けばすぐ身に付きます
アパレルだと買い付けに一週間も行けば定価という考え方は無くなります。
そもそも販売価格の表示がないことの方が多いです 笑。
どうやって価格が決まるかといえば、買う側がそのモノに対してどれだけ価値を抱いているかで決まります。
どこに行っても価格は交渉次第です。
日本国内でいえば、観光地で買い物する感覚に似ていますね。
商売ってこういうことなんだと肌で覚えますよ。
どうしても仕入れたい商品があれば、割高で販売されるか他の商品と抱き合わせになるか、ある程度のまとめ買い(アソート)になるかです。
アソートとは、簡単にいえばカラーやサイズを選べないことです。
買い付けから帰ってきて今度は自分が値段をつける番なので、どのくらいの価格で販売するイメージが湧くか。
抱き合わせの商品やアソートの商品も含めて、利益が出るかどうかをしっかり考えなければいけません。
ちなみに国内メーカーの展示会に行ってもなかなか通用しませんが、交渉する余地はありますのでメーカーのいいなりにならないでトライしてみて下さい。
国内メーカーの場合はそのモノの価格でなく仕入れの歩合の交渉になります。
ネット:webライティング単価は1円以上から
ネット事業でいうとwebライティングもプログラミングもデザインも、自分のスキルに自分で価格をつけることになります。
こうしたスキルの価格に決め方は、順序を踏む必要があります。
価格の妥当性は第三者の評価と実績にかかっています。
能力があっても誰にも認められていないうちは、単価の安い案件を獲得して実績を積み重ねる必要があります。
いい評価や実績を開示することで、取引先から紹介を受けたり単価の高い案件も獲得できるようになります。
ここで大切なのはスタートラインのハードルを下げ過ぎいないこと。
webライティングだとわかりやすいですが、1文字○円と案件が出ています。
1文字1円以下からはじめると仕事という責任感も薄れますし、依頼側が求める質も高くないのでスキルも稼ぎも高まりません。
副業で取り掛かりやすい分野なので、安くても依頼を受ける人が多く相場は安くなる一方です。
高単価ではじめると、しっかり責任感を持って依頼者に「提案」や「確認」を行うことの大切さも必然的に身につくはずです。
記事内のSEOや読みやすい記事の流れなど、求められるハードルが高いからこそ今まで以上に学習するきっかけになるはずです。
クラウドソーシングのサイトから価格の相場を確認してみて下さい。
飲食:ビールの価格はサービスの価格です
飲食店の価格の決め方でよくいわれるのが「原価の3倍」。
目安として用いられますが、これはとりあえず忘れてください。
生ビール一杯の値段もお店によってまちまちですよね?
安くてもガッカリしたり高くても得した気分になるのは、そのお店にいた時間に対する満足感次第です。
事業として利益を生めるかどうかは、高級食材の仕入れや珍しいワインの調達が根本ではないということ。
あくまでお店の価値を決める要素の一つに過ぎません。
事業の利益を生むのは高級ワインを販売することではなく、お客様に満足してもらってリピートしてもらうことです。
大手チェーン店が生ビール一杯100円で出しているのは戦略があるからで、違う業種だと考えた方がいいです。
大手でないからこそ提供できるサービスはたくさんあります。
自分がお客様なら嬉しいことを、どれだけ提供できるか追求しましょう。
生ビール一杯800円でも、そこに行きたいという魅力があればリピートしますし行きつけにもなります。
過去記事でも取り上げていますので参考にしてみてください。
価格を決めることからはじまる
起業して最初に頭を悩ませるのが価格の決め方です。
経験も実績もないからといって安売り価格にしてはいけません。
どこか逃げ道を作っているようにしか見えません。
売れ残りもあるでしょうし、サービスと価格が釣り合っていなくてリピーターも思うようにできないかもしれません。
お客様にとって魅力ある商品サービスをもっと知り高めていくしかありません。
最初から安売りではじめると、いつまで経っても安いという価値観だけのお客様しか集まってきません。
お客様にとって価値のないものは趣味で
とても希少価値のあるモノでも、手間隙かけた料理でも自信のある技術でも、お客様にとっては価値が無いモノって出てきます。
つまり、商品(サービス)として魅力がないということです。
こういった時は心残りでしょうが趣味の世界に留めておきましょう。
いくらこだわったモノでも、必ずどこかでやってきます 笑。
商品(サービス)価値は、お客様が決めるということが原則です。
価格のある場所への目線を変えましょう
今回3つの業種の価格について触れましたが、価格を決めるのはどの業種でもお客様側だということを知って欲しいです。
表示されていた価格がモノの値段だと思って育ちましたが、そうではないと意識を変えないといけません。
価格の決定機関(笑)は目の前のお客様です。
起業したら目線を変えましょうね。
定価とオープン価格のまとめです
- アパレルの価格は買う側の価値で決まる
- ネットのスキル単価は実績によるところが大きい
- 飲食の価格はサービスの満足度で決まる
- お客様に価値があるかどうかで決める
記事の中で触れた、大手チェーン店の生ビール一杯100円という戦略。
価格や利用しやすさが大手の売りなのでそこと戦ってはいけません。
「飲み物を目玉商品に料理で利益を出す」「大量仕入で実現できる」ということなのですが、組織が大き過ぎて特化できないのが接客サービスです。
出来ることはマニュアルの精度を上げることです。
このマニュアルも進化していますからそう簡単に抜けません。
学生さんだって主婦のパートさんだってすごい人はすごいです。
僕たちにできるのは、どれだけ自分のスキルを高められるか毎日が自分との戦いですね。
規模が小さいからこそ特化できるサービスがあるので、とことん日々スキルを磨くことが大切です。
そして決して安売りしないことです。