起業に向けて友達に相談しているうちに意気投合することってあると思います。友達の魅力を理解しているのでついつい「一緒に」という気持ちが芽生えても不思議ではありません。
経験が不足していても、資金的に余裕がなくても、起業すると決めた以上は応援します。
しかし、共同経営だけは断固反対です。
友達同士ならなおさら大反対です。
それでも共同経営からはじめる人はいつも一定割合います。
揉め事やトラブルだけではありません。共同経営はやめておくべき理由を今回はお伝えしていきます。
頭の中から消してください
そもそもなぜ共同経営なのか?
起業は人生にとって一つの転機です。家族があったり今の仕事のポジションや収入がいい人にとっては一大決心です。
業種やサービスは人それぞれ意欲やチャンスを感じて選ぶので、あとは自分を信じてやるだけです。
しかし共同経営だけは選ばない方がいいです。思い通り売り上げが伸びてもいいことありません。
その理由本当ですか?
どんなに起業家と出会う機会が少ない年でも、必ず最低一件は共同経営の起業家に巡り合います。
コロナ禍で起業の少ない今でさえ見かけます。
「どうして共同経営ではじめるの?」と聞けば、「それぞれ得意分野が違って役割分担をする」といった理由が圧倒的に多いです。
確かにそれぞれスペシャリストだとうまくいきそうですが、どうして親方が二人も必要なんでしょう。
リスクを負いたくない
「失敗した時のリスクも半分になる」「お金を出しあう」「営業はあいつに任せておけば大丈夫だ」「経営できる自信がない」「うまくいった時は半分でいいから」
心の底にそんな甘い気持ちはないでしょうか?
起業することは難しいことではありません。その反面、事業を維持させて成功を掴み取るのはそんな甘いものではありません。
もちろん最初はみんな自信がないのです。やったことないのですから。だから必死になれるんじゃあないでしょうか。
はじめから逃げ道を作っていては、いつまで経っても目標には辿り着けないものです。
一年も経てば見つかります
自分の弱さをなんとか振り払って一人で起業してみてください。
少しずつ事業が成長するとともにアルバイトや社員を雇用するようになり、みんな少しずつ成長していきます。
同じ目標に向かって一緒に成長してきた従業員は、今パートナーとして考えている人よりできるようになっています。
失ってしまうもの
共同経営だと何がいけないのか。最大の損失は起業家本人の経営者としての成長です。
どんな決断にしても商談にしてもお金にしても、全て責任感が中途半端になります。
本来は苦手な分野もやらなければいけない起業家にとって、最初からどこかの分野を任せるのはその大切な機会を逃すことです。
せっかく積める経験の機会を逃すということですね。
共同経営ならパートナーに下手なところは見せたくないでしょうから、なおさら新たなチャレンジもしたくないでしょう。
大切な駆け出しの試行錯誤する必死な時間がもったいないです。
どうしても今のパートナーとやりたい時
共同経営ではじめるという人は、なぜかどれだけ反対しても止まりません 笑。
ビジネスパートナーとしてうまくいくには。どんなに最初にお互い約束しても共同経営ならうまくいきません。やり方は一つしかありません。
そこまでなら雇えばいい
お互いのスキルを尊重しあって、どうしても一緒にビジネスを始めたいのでしたらどちらか一人が事業主になるしかありません。
もちろん成功してチヤホヤされるのは経営者の方でしょう。
失敗して社会的に責任を負うのも経営者の方です。
純粋にそのスキルに惚れ込んだのでしたら雇うのが最善です。
友達なら雇うのも反対です
雇うスタイルでも、それが友達ならやっぱり賛成できません。
どんな事も、なあなあになってしまいますよ。昨日までの友達に社長って呼べますか?
これは親子経営でもそうなのですが、職場でもお父さんのことを社長と呼べないようじゃあ組織がギクシャクしてきます。
仕事のミスの指摘もスッと胸に入って来ません。
そんな細かいことで、結果的にほとんどの共同経営がケンカ別れする結末を迎えるのです。
共同経営をしてなにが一番いけないかといえば、経営者としての大切な経験を積む機会や時間を無駄にしてしまうことです。
今まで体験したことのないことの連続で経営者は成長していくのです。
一人前の経営者というのは、積み重ねた経験や人脈をいかに自分の事業に活かし結果を出すか。
時には営業マンであり、時には技術者かも知れません。小さな規模でしたら経理も接客も全て一人でできます。
自分の収入も不透明なのに、どうしてわざわざ二人で始めなきゃいけないんでしょう。
売上もないのに最初から従業員を雇う経営者と似ています。
仮にたまたま事業がうまくいっても、魅力的な人材が集まる一流の経営者にはなれません。
実際にはじめると起こること
共同経営は危険だといわれる理由
ネットや本には「共同経営でうまくいく方法」とか、たくさんあるかも知れませんがやめておきましょう。
共同経営が危険だといわれる理由をいくつか紹介します。
仕事の不公平さ
「自分の方がやっている」「自分はこんなに必死にやっているのに」こうした感情は間違いなくやって来ます。
そもそも同じだけ努力することなんて不可能です。
どちらがやっているのか測れるものではありませんし「これだけやればいいかな」と妥協するのであれば、もっとやれる機会を逃しているとも言えます。
決断は誰がするのか
事務所のティッシュが切れたとして、近くのコンビニで買い足すのか遠くの安売りのスーパーまで買いに行くのか誰が決めるんですか?
ティッシュ一つとってもそうなんです。仕事の決断になると一緒に話して決める時間がまずもったいない。どちらも納得した決断なのかも怪しい。
事業とは決断の連続で、そのスピードこそが命なのにどこまでいっても各駅停車の鈍行です。
これでは後続にごぼう抜きされてしまいます。
責任は誰が取るのか
「赤字が出たときも折半で」と決めて始めると思います。
お金が尽きたら借入するにしても、どちらがその負債を負うのでしょう。
負債を負う覚悟があるのなら最初から一人で始めるべきです。
負債を背負ってもらう立場なら相手を利用しているだけです。
従業員はついてきません
親方が誰か分からないのに従業員がついてくると思いますか?
何か聞きたくてもどちらの話が本当なんですか?
少なくとも僕は、共同経営で長く続く従業員を見たことはありません。
能力の高い従業員でしたらなおさらのことです。
一緒に努力して大きな城にしたいと思う企業には、この親方についていきたいという城主がいるものです。
成功しても離れ離れになります
経営もなんとなくわかって来たら、いつか一人でできる自信もつくことでしょう。
事業は生き物ですから、最初に掲げていた目標は変わらなくてもやり方はどんどん変化していきます。
経営者として「商品のクオリティが大切」と感じたり「提供時間が大切」と感じたり、当たり前のことですが認識のズレが出てきます。
このお店で最大限の利益を目指すのか多店舗展開するのか。
当然、自分で思い描く経営スタイルで勝負したくなりますよね。
事業として成功しても離れ離れになる運命です。
まわりにマルチ商法で友達をなくしてしまった人いませんか?共同経営も結末は似ているので、自分はマルチを誘おうとしているんだと言い聞かせてなんとか我慢してください。
友達はいつまで経っても大切な宝です。
信頼しあえてなんでも話せる仲間だからこそいつまでも友達同士でいましょう。
お互い経営を目指しているのでしたら別々に立ち上げて、情報は共有し助け合いながら一緒に切磋琢磨するべきです。
お互い利用しようとしているだけなら辞めましょう。
共同経営は断固反対のまとめです
- 共同ではじめる本当の理由は何ですか?
- 能力ならそれ以上の人材が必ず出てきます
- 経営者として大切なものを失います
- どうしてもなら雇ってしまえばいい
- 共同経営が危険といわれる理由
共同経営には取り決めが大切だといいますが、実際はほとんど意味がありません。
そもそも事業がどうなるのか、どう進めていくのかは日々の決断の連続ですから予測なんてできません。
いくら立派なビジョンを考えても、開業資金なのかリスクを避けるのか、大体どちらかの理由なのです。