そもそも同じアパレル(服飾・雑貨)というくくりであってもセレクトショップと、雑貨・小物のカテゴリーとは大きく違います。
今回は古着屋さん・インポートショップ営業で、必須スキルの買付け・通販・コーディネイトについて徹底解説します。
インポートショップの醍醐味!買い付け解説
海外買い付けに憧れて、結果的にインポートショップを運営していたなんて人がいるくらい買い付けは楽しいです。商品仕入れが好きな人は絶対無駄遣いしますので(笑)旅立つ前に決めておくことと注意点があります。
買付け前に決めておく事と準備はたったのこれだけ
まずは準備ですが、店舗開業前に開業届と一緒に古物商という許可届出が必要です。古着やインポート品は簡単にいえばリサイクル品、車でいうところの中古車ですから許可が必要になります。
ただしそういう営業をはじめますという書類ですから何も難しいことはありません。届出は警察署で、該当品目をチェックしますから将来的に扱いそうなものがありましたらあわせて申請してしまいましょう
✔許可申請が終わったら必要なのはパスポートとクレジットカードです。
パスポートはお住まいの行政機関(県庁など)に住民票や写真などの添付書類と収入印紙代(一万円ほど)を納めればすぐ申請できます。こちらもとても簡単です。
ベットメイキングのスタッフへのチップは特に忘れずに。チップは宿泊ホテルの枕カバーの下に忍ばせておいてください。部屋の中での盗難や清掃・整理整頓にわかりやすく影響出てきます 笑。
買い付け代行を利用する
✔実際に海外に渡航しなくても現地在住の方に買い付けの代行を頼むことも可能です。
✔一般的には実費プラス手数料5〜10%だと思います。
実費には商品購入代金の他に交通費、商品運搬運賃などが含まれます。代行してくれる人の条件にもよりますが、一般的にはこの程度なはずです。また、買い付け金額によって手数料が変わるということもあります。
海外のバイヤーの見つけ方は、今ではネットで検索するとたくさん出てきますが、一度利用しないとわからない部分は多いでしょうね。もちろん知人などの繋がりから見つけるのもいいですが、一番大切なのは自分の求める商品テイストや好みがあう人ではないでしょうか。それと迅速に対応してくれるか、何軒か探し回ってくれるかというところもありますね。極力自分で渡航して探すことをお勧めしますが、前述したようにピンポイントでの依頼にはとても便利です。
海外買い付けにいくべき場所
パスポートとクレジットカードと仕入れバッグが用意できたら早速旅立ちましょう。ちなみに仕入れバッグは二つまで機内持ち込みOKなので二段・三段の大きいバッグを持っていきましょうね。
✔アメリカに行くならギフトショーは最後の最後にしましょう。
ギフトショーなどのメーカーが集まった展示会は、もちろんたくさん出品メーカーがありますが、価格や仕入れロット(数量)が安くはなく少なくもないです。アメリカのサイズを基準に製造しているので、日本人が着れるサイズはSしかなくてもM・Lサイズも納品されるということもあります。
✔アジア圏は慣れるまでブランド物は避けましょう。
アジアの中ではまだまだ日本は豊かな国で、欧米諸国に買い付けに行くのとは違った意味でのカルチャーショックがあります。時代とともに減ってはきましたが、やはりコピー商品を掴んでしまう可能性は高く、そうしたものを販売してしまうとショップを経営する立場として命取りです。
アジア圏で製造しているメーカーは多いですから、コピー品でなくともそうしたところからの横流れ品もあります。厳しいメーカーでしたら取り締まりでネット上を監視していますのでこちらの危険性もあります。
✔それでも商品単価は日本国内と比べてかなり安いものが多いので、アジア圏で買付するならやっぱり小物やアクセサリー、ノンブンランド商品がオススメですね。
ブランドタグの入っていない素材やデザイン・質感のいいものは、仕入れてこちらでオリジナルタグをつけることなどに向いています。そうした視点で捉えればまだまだアジア圏はお宝の宝庫です。

インポート品の価値は通販が教えてくれます
お客様のニーズを調べやすい
ネット販売をすることはどんなアイテムであっても必須です。ただし商品ページの構成は違います。セレクトショップと違って新着商品のアップスピードが命ではありません。いかにその商品価値を説明するかが大切。掲載写真の多さやこだわりも必要でしょう。商品名はしっかり検索で拾ってもらうようにつけることも大切。
この商品が欲しいという消費者に向けてですから、探しているお客様がなるべく見つけやすいように商品ページを構成することを心がけましょうね。
ネットでの反応が次回買い付けに行くときの大きなヒントになります。ショップとしての強みを打ち出すカテゴリーを教えてくれます。実際に販売に結びつかなくても、どのページを多く閲覧してくれているかわかりますので、まずはそこを突き詰めていくべきでしょうね。
古着屋・インポートショップが潰れない理由
✔ネットショップも並行している古着屋・インポートショップはまず潰れません。いくら地元に人気店があって太刀打ちできなくても大丈夫です。最大の理由は商品の鮮度が求められていないということ。賞味期限がないということです。
季節ごとの新着商品を扱うショップとは違いますので、プロパー(定価)販売する期間が過ぎたらセールで在庫処分するということが必要ありません。例えばジーンズメーカーのLeeのマスコット、バディ・リー人形というアイテムがありますが私が販売していたのは一体2万5千円。商品アップした日も、それから何年後に売れた時も同じ価格です。(ちなみに買い付けに行って見かけたら仕入れてください。間違い無く完売します)
たとえその商品がコアなファン向けであっても、ネット販売ではお客様が全国にいます。時には全世界にいます。古着・インポートの強みはネット販売ですから、実店舗の売り場面積を広げることもスタッフを拡充することも必要ありません。
ネット販売のクレームはご想像の通り対応が大変難しいです。どんなに気をつけていても起こってしまうものですが、極力起きないように運営しなければなりません。一度悪い点を拡散されてしまうと他のお客様に信用と取り戻すのにとても時間がかかります。もちろん落ち度があれば誠意を持って対応するのですが、未然に防げることに越したことはありません。
古着コーディネイトに教科書はありません
✔古着を着こなす人ってファッションセンスがあると感じたことはないでしょうか?
まったくミスマッチな組み合わせでも味があるコーディネイトっていうのが、古着・インポートの真骨頂です。あらかじめセットアップで提案されたアイテムがある新着商品などと違い、すべて独自でセットアップするわけですから奇抜になりがちです。もちろんファッション雑誌に見本があるわけではありません。
✔コーディネイトのコツは、試着を重ねることです。
鏡に映った姿でしっくり来たら恥ずかしがらずに外に出るだけです。ファッションって「個性」ですから自由な組み合わせでいいのです。「このトップスにはパンツはこれ」といった優等生な感覚を取り払えればもう大丈夫です。
ですからお客様のいない時に実際に自分で試着して色んな雰囲気を感じること。もちろんボディー(マネキン)に着せてみても構いません。そんな時はなるべく自分の常識ではありえないような組み合わせにしてみてください。新たな発見があったりします。
さらにもう一点コツとしては小物で個性を引き出してあげることですね。帽子だったり時計だったりバッグ、靴といった小物です。アクセントになるカラーを小物でつけてあげると服のコーディネイトでインパクトがない場合でも一気に個性的になりますよ。
古着・インポートショップのポイントまとめ
・買い付けは大きなギフトショーなどは後回し。現地での取引の注意点。
・通販は必須というよりメインだと捉えてください。
・コーディネイトは頭を柔らかくすること。
簡単に一言にまとめると以上になります。起業を目指している方は全然できそうですよね?大手メーカーのテレビCMなどはもちろんありませんから爆発的なヒットが狙えるような機会は滅多にやって来ません。しかし、時間をかけて長く愛されるお店にすることはできますよ。
