「リーダーシップとは何か」経営者に限らず部下が出来ると、真剣に考えますし身につけなきゃと焦ってしまいますよね。
いろんな書籍を読みあさって、いざ実践しようとしたらうまくいかないものです。
今回は小さな会社の経営者に絞ってリーダーシップについてお伝えしていきます。
コンサルタントや講演で語られるリーダーシップ論というのは、もうしっかりと形が出来ています。勉強になりますので目を通してみてください。
目次の「【抜粋】一般的なリーダーシップ論」より参考にしてみてくださいね。
リーダーシップに大切な3つと間違えやすいこと
リーダーに大切な3つのこと
「目標を掲げる」「全責任を取る」などの経営者としての覚悟は以前にも取り上げてきましたが、リーダーシップにおいては覚えていて欲しいことは3つだけです。
- 好かれようとしないこと
- 手柄はすべて与えること
- 待遇について知ること
それぞれ説明していきます。また、今まで見てきたほとんどの経営者が間違えてしまったことも続けて紹介していきます。
好かれようとしないこと
学生時代の先生で覚えている人って、当時怖かった先生だったりしませんか?
例えば挨拶だったり礼儀だったりを覚えたのは、叱られるのが怖かったからだったりしますよね 笑。
叱って教育するということではなくて、出来るようになるまで言い続けなければいけません。
そういう指導者は好かれようなんて気持ちなどなくて、本気で出来るようになって欲しいんです。
嫌われる必要はありませんが、好かれようという気持ちは必要ありません。
手柄はすべて与える
小さな目標でも達成した時は従業員のおかげだと伝えましょう。
対外的に評価を受けた時もそうするべきです。
もちろん心の底から思っていなければ上っ面な言葉になって、間違って伝わることになることもあります。
どんなことも結果が出るまでが大変です。従業員はなおさらのことです。
まだ小さな戦力だとしても一緒に結果を出したことに違いはありません。
結果を出すのが仕事の経営者としては、もうすでにご褒美はいただいてます。その他の評判やお客様からの感謝などはすべて従業員の手柄にしてあげてください。
待遇がいいのは大変だから
自分の仕事と向き合いながら従業員の指導をしたり間違いを一緒に修正したり、人数が少ない時が肉体的にも精神的にも一番大変です。
好きで雇ったのですからここで愚痴はこぼせませんよね。
少し規模が大きくなって自分に代わる店長などができると、同じ思いをするはずなので伝えてあげて欲しいですね。
シンプルに、他の従業員よりも給料が高かったり自分に役職がついているのは偉いわけではありません。仕事の内容が大変だから待遇がいいんだということですね。
待遇を変える前に、しっかり認識してもらわないといけません。
手柄についてですが、結果を出すと「すごい経営者だね」と意味不明にいい評価を受けます。またどれだけ寝ないで必死に取り組んでも結果が出ないと「ダメな経営者」だとレッテルを貼られます。
経営者の評価ってすべて結果ですから仕方のないことです。
なおさらその過程の頑張りだったり、対外的に受けたいい評価はすべて従業員の手柄にしてあげましょう。
従業員の評価が上がるということは、チームとしての評価も上がりますから強いチームだと認識されるようになります。
すごい経営者というのは全然必要ありません。
小さな組織だからこそ間違えやすい
従業員が一人の時は間違えて(勘違いして)いても問題ないのですが、二人以上雇う時には気をつけて欲しいことを紹介します。
「三人寄れば派閥ができる」といいますが、リーダーシップを発揮してまとめることができれば「三人寄れば文殊の知恵」ともいっていい結果につながります。
ちなみに店舗展開も3店舗目が一番難しいです。その理由も今回お伝えすることと共通していますよ。
経営者の場合はマネジメントとは違う
リーダーシップとマネジメントは似たような捉え方をされますが、それぞれ違った役割があります。
- リーダーシップ:目標を掲げて導くことと環境を整えること(目標設定・環境整備)
- マネジメント:目標達成のためのやり方を伝え実践すること(指導・実務)
部活でいえば監督とキャプテン、もしくはコーチの違いですね。
事業の規模が小さいうちはどちらの役割も兼任することになりますが、ゆくゆくの役割は監督の方だということを覚えていてくださいね。
※従業員が二人以上になったら意識的にシフトしていきましょう。
好かれている・優れているは幻想
この幻覚を見てしまう経営者が一番多いです 笑。
従業員に仕事を与えても何を伝えても、はじめは「はい」と返事が返ってくるのは当たり前のことじゃないですか。
そんな日常の繰り返しから、好かれている経営者(リーダー)だとか偉いとか勘違いしてしまうものなんですよね。
この幻想から早く目を覚まさないと、「自分の行動がどこか傲慢になったり」「無理なお願いでもなんでも押し付けてしまう」ことに発展してしまいます。
従業員を雇い始めて間もない頃に起きやすいです。
誰も指摘してくれませんから、たまに自分を見つめ直してみましょう。
リーダーシップはいつも必要ではない
何か指示を出したり伝えられることはないか無理に探す必要はありません。
リーダーシップは必要な時に発揮するものです。
知らないがために時間がかかってしまっていることを解決してあげたり、従業員からはアプローチできないような取引先にアプローチしてあげたり、従業員が活躍しやすいようにサポートするのが理想です。
これには「気づき」の習慣が必要です。いつも仕事をチェックしたり気にかけたりしていないと「気づき」は生まれないかもしれません。
組織として仕事がうまくいっている時や、重大な判断が必要でない時はサポートするのがリーダーの役割ですね。
役職で上下関係を意識するのは、日本の文化ですから染み付いてますよね。
海外では捉え方が全然違って、はじめて海外で仕事をするとカルチャーショックを受けます。
「ボス(社長)にはボスの役割」「オレにはオレの役割」があるという認識だけ。
なので急に偉くなった勘違いも起きません。これはとても新鮮で素敵に感じるはずですから機会があればぜひ体験して欲しいです。
帰国したら変な幻想に落ちていても必ずさめますよ 笑。
【抜粋】一般的なリーダーシップ論
セミナーなどに参加すると、よく取り上げられるリーダーシップ論を抜粋してみました。
たくさんの経済学者たちによって語られてきたリーダーシップ論ですから、なるほどと勉強になることばかりです。
基本的には大企業向けにまとめられていることが多いので、参考になるところだけをピックアップして心がけるのがベターですね。
ダニエル・ゴールドマンの6つのスタイル
ダニエル・ゴールドマン(ハーバード大学心理学博士)が唱えた、自分がどのスタイルのリーダーかを知れば能力を発揮しやすくなるというものです。
1・ビジョン型
- 共通の夢に向かって人々を動かす
- 一般的に急成長の組織に必要とされる
2・コーチング型
- 個々人の希望を組織の目標に結びつける
- 短期的な成果を求めない時に有効です
3・調整型
- 人々を互いに結びつけてハーモニーを作る
- 組織が人間関係などで機能していない時に必要
4・親睦型
- 提案を歓迎し、参加を通じてコミットメントを得る
- 組織メンバーのスキルが高い時に有効とされています
5・実力型
- 難度が高く、やりがいのある目標の達成をめざす
- 昔でいう職人気質。見て覚えてもらうスタイルです
6・指示命令型
- 緊急時に明確な方向性を示すことで恐怖を鎮める
- 効率は上がるが部下の能力が上がりづらいといわれるスタイル
ちなみに日本では6番のスタイルが一番多いですね。
ダニエル・ゴールドマン成功する人の「こころの知能指数」
リーダーが行うこと
リーダーは行うべきことを抜粋しました。
普段からみなさん行っていると思いますので再確認してみてください。
最初と最後が特に大切ですね。
- 目標を立て計画(戦略)を練る
- チームにその意義を伝える(同じ目標に向かう)
- 仕事のしやすい環境を整える(必要ならサポートする)
- 結果の確認(過程も認識しておくべき)
- 必ず検証する(結果が良くても改善策まで出すこと)
小さな会社のリーダーシップのまとめです
今回は小さな会社の経営者が覚えておいてほしいことと、気をつけなきゃいけないリーダーという名の勘違い。
一般的に語られることの多いリーダーシップ論をいいとこ取りで抜粋しました。
一つでも心の片隅に残ってくれたら嬉しいです。
- 好かれようとしないこと
- 手柄はすべて与えること
- 待遇について知ること
- 幻想は見ないこと(一番陥りやすいです)
- いつも必要ではないこと(気づきは必要)