人材を雇用するとなかなか憶えてくれない。人に何かを教えるのって難しいと実感します。そうです。それこそが答えで僕たちは教員ではありません。教えようとするから上手くいかないのです。伝えるという意識が大切なんです。今回は事業発展のために大切な人材育成についてです。
「教える」ではなくて「伝える」

意味を知ってもらうこと
何かを伝えるのは会社の戦力になって活躍して欲しいから。物事を理解してできるようになって欲しいからですよね。ですから伝えたいことの意味を知ってもらう意識が大切です。
基礎は大切です
掃除や電話の受け方のフレーズのような社内の決まり事はスムーズに教えられますよね。そうした仕事の基礎となる部分はメモをとってもらうことを忘れずにしっかり伝えましょう。 もしはじめての雇用で何も決まっていなければ、基本的な部分はマニュアル化したほうがいいので教える側できちんと作成しておきましょう。丸暗記の学習に慣れている
小さい頃からの学習方法で暗記することに慣れてしまっています。暗記することが善だという風潮すらありますね。 会社にとっての優秀な人材というのはアイデアを出してくれる人。会社のための貴重な意見も発送も暗記からは生まれません。 基本的な業務以外は、暗記でなく意味を伝えるクセをつけてください。どういう意図があるのか
例えば飲食店だとしてカウンター席が7つあったとします。 拭き掃除をしながらでも、なぜ7つにしているのか。その意味を伝えることです。 経営者自身が特に意味もなく、スペース的に収まる数が7つだったというのなら何も伝えられません。何かを人に伝えようとすると、一つ一つの意味を見つめ直すように経営者の考え方も変わります。 人に何かを伝えるということは自分自身のためにもなるのです。伝えたい意味がわかると出来ること
意味を知るともっと効率のいいやり方や、やりやすい方法が浮かぶものです。 物事の意味が伝わってはじめて「それだったらこうしましょう」という前向きな発想が出てきます。 ただ意味もなく形だけ済ませておけばいいというのでしたら、どんな発想が豊かな人材でもそこから先のアイデアは出てきません。自分は教師ではないんです
僕たちは教員免許を持った教師ではありません。(持っていたらすみません 笑) 人に何かを教えるというスタンスは捨てましょう。 僕たちにできることは「その意味」と「その効果」を説明することだけです。*カウンター7席の話
先ほどのカウンター7席の話は実話で、現在営業中のバーのカウンターの席数です。これは開店当初、カップルや同僚と二人でといったお客様が多かったからです。一人で来店したお客様がポツンとテーブル席で寂しい思いをしないように決めたことです。この意味を伝えるとスタッフたちもカウンター席は必ずお一人様用に一席は空けておく習慣がつきました。一人で静かに飲みたいお客様からしたら迷惑でしょうが、自分がお客様の立場だと嬉しいからそう決めたのです。そうするとお客様に席を案内するときの言葉も違ってきますよ。

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伝わるまで飽きないこと

しっかりと意味まで噛み砕いて伝えているのに、さっぱり伝わらないと感じることもあります。一昔前だったら「同じ話は2度としねえぞ」なんてセリフもよく聞いたものです。そんなセリフがグッとくるのは、主人公が教えられる立場だからですね。伝える方の僕たちはどうやったら伝わるか工夫していきましょう。
伝え方を変えてみる
伝わらない理由は、聞く側ではなく僕たちの方ではないですか?一度話したら伝わったと勘違いしているケースもよくあります。 「よくわからないのでもう一度教えてください」と聞き返してくれる優秀な従業員は滅多にいません。 聞いていないわけではなくて伝わっていないだけです。 僕たちの説明がピンと来ていないだけかもしれません。そんな時は伝え方を変えてみてはどうでしょう。例え話が苦手な人は
例え話というのは何かを説明するときにとても便利なものです。コミュニケーションが上手な人は例え話も上手なものです。 では、例え話が苦手な人はどうしたら良いでしょうか? 自分が憶えた時を思い出すことです。誰かのマネでもいいです。 経営者ならどうしてそう決めたのか、きっかけを話してあげたりすると伝わりやすいです。 目的はその仕事の意味を伝えることなのですから。人材育成は飽きちゃダメです
そうはいっても目に見えて成長してくれるまで時間がかかるものです。 人材育成にコツがあるとしたら何度も何度も伝わるまで伝え続けること。出来るようになるまで決して飽きないでとことん付き合ってあげることです。*ウサギとカメの話がよく理解できます
会社に入ったその日から機転がきいて憶えもはやくみんなに可愛がられるタイプの新人もいれば、じっくり一つ一つおぼえるタイプの新人もいます。どちらがいいという話ではなくて、時間が掛かるか掛からないかの違いです。器用なタイプの方がサボるのもうまかったりします 笑。時間が掛かるタイプでしたら「堅実でしっかりした子だ」と捉えて、応用が効くようになるまでとことん付き合ってあげてください。

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人的財産こそが会社の最大の財産です

成長を実感した喜び
従業員は機械ではありません。検索エンジンで検索ワードに適した答えが出てくるような簡単なものではありません。なのでいつの時代も経営者の大きな課題なのでしょう。この課題を乗りこえたときこそが事業も大きく発展する時です。
会社の業績が伸びる時
急に業績がぐんと伸びる時って何度かありますが、必ず従業員の成長を感じたときにやってきます。これはぜひ体験していただきたい。 自分一人ではここまで伸びなかったと実感するはずです。 あの会社は従業員が揃っているという会社ってありますよね。それは従業員教育が素晴らしいのです。目に見えないだけで、みんなが力を発揮しやすい環境と指導があるはずです。みられている相乗効果
指導する側にも大きなメリットがあります。後輩ができるということで自分自身も見られているというプレッシャーがあることです。 これは自分を戒めるのにとても効果的です。 また浅はかな先輩ではナメられますので、勉強を経験も今まで以上に率先してすることでしょう。 人材を育成することは指導する側の自分のためにもなるのです。会社の理念
事業への思いや将来的なビジョンなど、特別に伝えなくても人材育成の中で知らず知らず伝えているはずです。 ですから人材が育ったときにはすでに同じベクトルに向かってくれています。 人材育成にはもれなく強い組織もついてきます。*余談です
今まで200人以上は雇用してきたと思いますが、アパレルや飲食なので女性が8割以上でした。つまりおめでたい事なのですが寿(結婚)退社がたくさんありました。お祝い事なので失礼ですが、仕事上のお別れをするのはとても寂しいものです。しかし人材育成にはついて回るものです。いつかはそうなると心のどこかで覚悟しながら全力で付き合いましょうね。

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人材育成の考え方のまとめ
大きな組織を前提にした複雑な育成方法ではありませんが、人を雇うということに関しては大切な考え方です。それでは今回の記事のまとめです。
- 暗記でいい仕事は基本的な部分だけ
- 考えてもらうには意味を伝えること
- 伝わらない時は伝え方を変えてみる
- 自分が憶えた時を思い返してみる
- 決して飽きないこと
- 人材育成すると事業は必ず伸びます