リーダーに求められるスキル
- 会社全体としての視点があること
- チームのモチベーションと管理
- プランの振り返りができること
会社全体を見渡せる視野があるか
経営者に近い考え方
店長を任せる人材は、現場の部署や店舗だけでなく会社全体のことを視野に入れられなければなりません。経営者目線で物事を判断できるかどうかです。
任せられている店舗のことだけを考えてくれればいいという考え方もありますが、それでは店舗が3店舗4店舗となったときに必ず支障が生じます(経験談です 笑)。
なにかを企画立案するときに「会社のイメージにどんな影響を与えるか」「会社全体にどういった負担を与えるか」といったことも踏まえて考えられるかどうかです。
店長にそうした意識が芽生えるまで経営者として問いかけ続けないといけません。それが一歩先の仕事だと認識してくれるまで根気強く説明してください。
売上ではなく利益への意識
給料も維持費も売り上げからではなく正しくは利益から出ています。
売り上げはわかりやすい指標ですからスタッフなどは目標としてもいいでしょう。
しかし店長になると利益をしっかり意識するように指導しましょう。店舗の実績の報告などには必ず利益も計算するようなフォーマットにしてください。
スタッフとの違い
現場スタッフとの違いはそうした意識があるかどうかというところ。
現場はお客様第一主義です。スタッフに求めることはまずはその意識を高めてもらうこと。
店長は「お客様」「会社」「スタッフ」の3つどれも大切にしなければいけません。
ただの肩書きではなく求められる仕事は、質もボリュームも違います。
担当店舗しか見えなくなる
最初は任されている店舗しか見えなくなるのは当然のことです。
まずはそこに必死になるのは当たり前のことですね。スタッフをまとめながらお客様も今まで通り大切にするのは口で言うより大変なことです。なおかつ会社のことも考えてもらわなければいけません。
こうした時はいつも以上に抜擢した店長とコミュニケーションを取りましょう。
大切な人材が大変な思いをしている時は、ひとりぼっちにさせないことです。
どうしても期待に応えようと一人で頑張ってしまいます。
カッコイイ店長
スタッフに慕われている店長っていますよね。
「あのお店の店長カッコいい」「あんな店長になりたい」。そんなふうに慕われている人って外見だけじゃなく仕事っぷりに憧れられていることが多いです。
営業時間外でレポートか何かを真剣に書いている店長の姿を見たことないでしょうか?店長にしか任せられていない仕事の姿ってスタッフからするとカッコいいものなんです。(向上心のないスタッフはそう感じないかもしれませんね)
スタッフが店長と話していても、組織全体に目線を向けていると一歩先を進んでいること痛感するものです。
そんな素敵な店長になってもらうのが経営者の仕事です。
チームのモチベーションを高めるキャプテンであること
自分の経験を話す
はじめて従業員を雇った時どんな苦労がありましたか?その時の苦労やうまくいったこと、うまくいかなかったことを思い出してみてください。
今まさに店長も同じ境遇にいます。一番気持ちや大変さをわかってあげられるのは経営者しかいません。
自分の体験談を踏まえながらアドバイスするようにしましょう。
なるべく失敗談から話してどういう思考で改善したかを伝えるのが一番伝わりやすいですよ。
抜擢されなかった従業員
店長が決まると抜擢されなかった従業員の不満が少なからず芽生えます。
こうした不満が聞こえてきたら経営者の出番です。
不満を抱えている従業員がなぜ選ばれなかったのか。その理由は選んだ経営者自身が伝えるべきです。
店長としてなにが足りないのかを明確に伝えなければいけません。決して感情的になってはいけません。
会社としての「店長の基準」がしっかり伝われば、向上心があればそこに向かってくれるはずです。
スタッフの立場を理解する
スタッフのモチベーションを高めるためには、同じ立場に立ってコミュニケーションを取ること。スタッフの気持ちを理解してあげることが大切です。
これは店長も新米のスタッフから始まっているわけですから、当時の自分を思い出せば理解できるはず。
スタッフの気持ちを思い出せない人はいないはずですが、店長という立場になったばっかりに「そんなこと?」と思うような人はリーダーには向いていません。
そんな場面を見かけたら見過ごさないでしっかり叱ってください。
相手の立場を理解して話すということ
店長の仕事はスタッフの不平不満を聞くということではありません。
「今あなたがしている仕事の成果は将来こうなる」「会社やお客様にとってどんな役に立っているか」という仕事の意義を伝えてあげることがモチベーションを高めるコツでしょう。
誰かに必要とされている、自分は貢献できていると感じることはとてもスタッフのモチベーションにつながります。
なんのためにという意識が薄いといい仕事はできないものです。キャリアの少ないうちは会社の全体像も見えませんからそうした意義がわからないものです。そうした立場を理解して、わかりやすく伝えるのも店長の大切な仕事です。
会社の意思が伝わる
- はじめてスタッフができた時の気持ちを思い出す
- その時の失敗や成功を踏まえて店長にアドバイスする
- 店長はスタッフだった頃の大変さや気持ちを思い出す
- その気持ちを持ってスタッフとコミュニケーションを取る
- 店長からスタッフまで会社の思いが共有される
結果、会社の思いが店長の言葉を通じてスタッフに伝わることになります。
プランの振り返りまでできて店長です
やりっぱなしで終わる企画
どんな企画でもやりっぱなしで終わることはよくあることです。売上がどうだったかしかみないで終わるということですね。
自分一人で起業仕立ての頃は振り返りもしないで終わってしまいがちです。(僕もそうでした)
これはとてももったい無いことなんです。あとで分析できるように、せめて何をどうやって結果はどうだったのかまでは記録に残しておきましょう。
運営のノウハウ
結果が出たその先が会社の財産なんです。その企画は結果的にどうだったのか。何がよくて何が悪かったのか。どうすればもっとよくなるか。この蓄積が俗にいうノウハウのことです。
世の中に溢れているノウハウは、地域も違えば規模も違いますし環境だって違います。参考程度に留めておくのが正しい読み方でしょうね。
同じ過ちを犯さない
しっかり分析することで同じ過ちを繰り返さないブレーキになります。本やネットで調べたことではなく実体験ですから間違いありません。
さらに改善策まで用意してあるのがベストです。そこまであって失敗も財産と呼べるようになります。
例えば新メニューの試食会
企画の段階では「常連客に特別感を感じてもらうために招待する」とか「取引業者との絆を深める」などの目的があったとします。
雰囲気もよく滞りなくイベントが終わりました。招待客の皆さんも満足そうに帰宅されました。特別感や取引先との距離感は縮まったかもしれません。
当初の目的は達成しました。
そうですよね。まだまだこの企画を利用できたはずですね。メニューに無記名で点数をつけてもらう。接客の改善点を書いてもらう。価格はいくらくらいが適当か。盛り付けは。提供時間は。いくらでも利用できるはずですね。
店長に報告してもらう意味
何が良くて何が悪かったのか、次回取り組む時はどうやって改善するか。そこまでたどり着いてはじめてプロジェクトです。
この振り返りを店長にしてもらうのです。企画の目的と結果と改善点を見つめ直してもらうことを義務付けることによって企画への意識も高まります。
利益までしっかり理解している店長でしたら「今回の試食会の予算は広告費から捻出するので、今月の広告費予算から削減しておきます」と企画の段階から提案してくれることでしょう。
経営者は評価までが仕事です
そして経営者は「企画」「実行」「分析」の後の「評価」が仕事です。また開催したいという時や改善策についての評価です。
数字的な評価とは別に、今後につながるかという目に見えない評価は経営者が独断でするしかありません。どんなに従業員に思い入れがある企画でも、従業員がやりたがらない企画でも会社の立場として決断するのは経営者です。
私情は決して挟まないこと
最後に店長を決める時に私情は決して挟まないでくださいね。
特になんでもいうことを聞いてくれる人材(イエスマン)は注意です。
店長を任せる人材の資質とスキルのまとめです
- 会社全体を見渡せること
- チームのモチベーションを高められること
- 企画の分析・改善までできること
たった3つのスキルですが共通するのは経営者目線であるということ。どれもしっかりと持ち合わせている人材でしたら、組織が成長した暁にはぜひ役員に登用してあげて欲しいです。