雇用をするようになると「どうしたら従業員に最大限に能力を発揮してもらえるのか」頭を悩ませるようになります。
従業員のやる気を引き出すことって生涯のテーマですね。
自分一人でなくなった瞬間から新たな一ページの始まりです。人材育成は答えがないので大きな第二章の幕開けといったほうがいいかもしれませんね。
経営者自身の成長はもちろん、従業員の成長は伸びる組織には欠かせません。
では、能力を発揮する気になる「働きがい」とはなんでしょうか。
「働きがい」を「生きがい」に捉えてみると答えが見えてきますよ。
働きがいが生産性を生む
「働きがいのある会社」のモデル
仕事の働きやすさについては関心度が高いので、世界中の働きやすい会社を調査する「ミシュランガイド」のような機関があります 笑。
各国企業の従業員のアンケートから集計した結果です。
「Great Place to Work」という機関でランキングも公表していて、毎年各国のメディアを通じて発信しています。(日本ではあまり馴染みがないかも)
世界60ヵ国の調査
世界中から集めるアンケートは60ヵ国にものぼります。
世界共通の「働きやすさ」の定義は以下の通りです。
- 信用性
- 公正
- 連帯感
- 誇り
- 尊重
前提条件があります
中小零細企業ではまず保障しなければいけないのが「生活」です。
こうした従業員調査も「生活」の心配がない上での大企業向けの調査ですから、中小零細企業や個人事業で働いてくれる従業員に与えなければいけないものはまずは「生活の保障」という安心感。
つまり「生活できる収入」と「充分な休暇」が最優先だということ。
当たり前のことですが大きなものを見ると足元が見えなくなりますからね。
※2021年版「働きがいのある会社」ランキングはこちらです
働くことで生まれる欲求
仕事に意欲のある人ほど「働きがい」というものは大切です。
一般的な仕事を探す基準って「給料」と「休日日数」です。
仕事に対して意識が高いからこそ「働きがい」「やりがい」が欲しくなるのです。
経営者が求めるもの
人材育成で試行錯誤することも、経営者は事業としてよりよい「結果」を出したいからです。
経営者によって「お金」なのか「権威」なのかはわかりませんが、経営者が求めるのは目標達成という結果です。
従業員が求めるもの
従業員は先ほども触れましたがまずは「給料」と「休み」。経営者としてしっかり生活を守ってあげてください。
その上で従業員の「働きがい」とは「人から必要とされること」です。
調査結果で見えるもの
今回紹介した調査結果は「公正」に関しては組織に求めるものですが、「信用」「尊重」「連帯感」「誇り」。すべて従業員自身が身につけたい、欲しいものだということが分かります。
胸を張って信頼される人になりたいのです。リーダーシップを取りたいかどうかは人によって分かれますが、必要とされる人になりたいのは間違いないですね。
ボトムアップだからこそ
僕は起業を目指す方にはボトムアップ型の組織をオススメしています。
ボトムアップ型とはつまりマンパワーが必要です。上からの指示だけこなせばいい組織でないので、従業員一人一人の力が必要です。
ですから働きがいを持ってもらわないと成り立たないのです。
※ボトムアップの理由は過去記事にありますので参考までに貼っておきます。
必要とされる人とは
それでは人から必要とされる人にはどうしたらなれるのか。
いいかえれば、信用があって頼りがいもある人のことです。
困った時に脳裏に浮かぶ人ともいえますね 笑。
チームを組むならこの人と同じチームがいいと思われる人のことです。
では、仕事上で信頼の厚い人とは具体的にどういう人なのか。
必要とされる人はこんな人
仕事上で必要とされる人の特徴は経営者と似ています。
ですから経営者自身も一緒に高めていくべきことばかりですね。
小さな目標を作れる人
課題となる仕事をやり遂げることも大切ですが、もう一歩踏み込んで自分から課題を作れる人。自ら小さな目標を作れる人です。
これは日々心がければすぐ身につきます。与えられた課題について「いつもより丁寧に」「前回よりもキレイに」「前回よりも早く」といった些細なことでも楽しめれば大丈夫です。
そんな小さな積み重ねで一ヶ月も経てば大きく成長しますよ。
イメージできる人
どんな課題であっても具体的にイメージできること。
どんな大変さがあったとしても、どういう順序で進めればキレイに早く終わるのか。頭の中でサッとイメージが湧く人です。
こうした能力は経験を積むか、普段から仕事の観察と振り返りができていれば身につきます。
経験に関しては時間が必要なので、一番心掛けたほうがいいのは振り返りでしょうね。課題が終わると振り返りする人は少ないのですが、これをしないと次の改善にはつながりません。
仲間を認められる人
仕事に自信のない人や信頼の薄い人は、どうしても仲間であっても批判がちになりやすいです。
批判することによって自分を守るのは防衛本能なのかな。
仲間を認められる人になれば、信頼関係も作れるのにもったいない。
仲間に認められる人とは、仲間のミスを「自分もしたことがある」と一緒に取り組んであげて、なおかつ「こうしたら次から間違えない」というアドバイスまで出来る人のことです。
とくにサボりでなくはじめて取り組んで間違えた時などは笑って一緒に修正しましょう。それは仕事を任せた人の責任ですから。
これは経営者自身がそういうスタンスで従業員と関わらないと身につかないかもしれません。ぜひ心掛けてみてください。
笑顔が浮かぶ人
これは最強の武器です。
どこかのお店に行こうと思った時に店長さんの顔を思い浮かべますよね?
だいたい笑顔が浮かぶお店に行くものです。
そうした人としての引力はまずは笑顔でしょうね。
これも心掛け一つで身につくものです。どんな職場でも笑顔が多いに越したことはありませんよね。
余談ですが、アパレルの現場では開店前に鏡の前で笑顔の練習をします。接客の基本中の基本です。笑顔で対応されて嫌な思いしませんよね。
働きがいのある会社のまとめです
職場の環境で日に日に成長する人もいれば、仕事を作業だと捉える人もいます。
能力を発揮したくなる素敵な職場作りも経営者の大切な仕事です。
- 世界中の「働きがいのある会社」調査紹介
- 人から必要とされることの大切さ
- 公正な評価は経営者の仕事
- 必要とされる人になるの簡単な方法
人材というのは、事業を成長させるのにいつまでも向き合わなければいけない経営者の課題です。
一人でやれる規模の事業を続けるのであれば必要ないのですが、せっかく経営者を目指したんだったらチャレンジして欲しいです。
従業員の成長を感じた時ほど大きな喜びはないですよ。