飲食店の中でもバーやスナックを開く場合、昭和の時代からまず潰れない鉄板の営業スタイルがあります。
「じゅうたんスナック」と呼んでいますが多分ローカルな呼び名だと思います。
居酒屋スタイルのところもあります。どんな仕組みかお伝えしますね。
同業者向けのお店です
息抜きの場所か小遣い稼ぎの場所
サラリーマンの方達が仕事帰りの一杯で寄ってくれるように、飲食店で働いている人たちも一杯飲んで帰りたい方は当然います。
そういう役割のお店だと認知されると、忙しくなる時間はかなり遅くなりますが、まずなくなる事はありません。
どんな小さな繁華街でも、必ずこのスタイルのお店はあります。
これに相互利益のシステムを導入したのが、じゅうたんスタイルです。
アフター料金のバックシステム
「長時間営業している」「遅い時間まで開いている」だけでなく、ビジネスを取り入れた営業スタイルになります。
お客様とアフターで利用していただいた時に、お会計から歩合をバックするシステムです。
お店単位で契約しても、勤務しているお店の了解があれば個人的に取り決めをしても構わないでしょう。
仕事後もちょっとしたお小遣い稼ぎになるので、お目当てのお店やお客様指名のお店がなければ結構な頻度で利用されます。
歩合に関してはバーと居酒屋では内容も違いますし、料金設定次第で原価もさまざまなのでお互いにメリットのある設定にしましょう。
※実際にこのシステムを取り入れている店舗は3軒に1軒くらいです。
お客様は大抵3つにわかれます
基本的に仕事帰りのプライベートですから、静かなところで息抜きしたい人か、仕事明けの時間を楽しみたい人か、経営者が集まるお店かに別れます。
同業者同士の関係もあるので、やはりバラけますからね。
僕の地元では、じゅうたんスタイルに特化したお店がチェーン店にまでなっていました。(6店舗展開してました)
コロナ禍の今でも、バースタイルと居酒屋スタイルは少なくとも一件ずつは必ずあるものです。
もちろん郊外型の飲食店でも小さな繁華街があれば需要はあります。
横並びで同じくらいの時間に、どのお店も閉めるような環境でしたらなおさら必要とされるお店になりますよ。
隙間産業と呼ばれるが
こうした営業スタイルは決して王道ではないので、隙間産業だと揶揄されることもあるでしょうね。
いつか誰かに見下される場面もあることでしょう。
日曜日や祝日に営業をすると、休みの同業者が集まってきて同じようなことがよく起こります。
経営者によっては、あえてみんなが休んでいる日にこうした需要を狙ってお店を開けている人だって当然います。
何も恥ずかしいことではないですよ。
開店当初は自然となりがちです
飲食店に限らず開業仕立ての頃は、営業時間を決めるのは自分なので自ずとこうした営業スタイルになりがちです。
僕もアパレル時代も飲食時代も、24時間営業かってくらい気が済むまでやりました。
起業した人たちを見ても、自然と長く営業する人の方が多いです。
決して効率的ではないのですが、開店当初はやる気も満ち溢れていますし周りの目など全く気になりませんしね。
長い時間仕事をしているのが素晴らしいわけではありません。どちらかといえば、能力がないから長くやるのでしょう。
そう自覚して、隙間産業と呼ばれても成果が出ない時は取り入れてください。
経営者は結果がすべてです。やったもの勝ちだと思いますよ。
百貨店やショッピングセンターでも
泥臭い営業に見えますが、百貨店やショッピングセンターにテナントで入っても同じ営業スタイルはたくさんあります。
100件ほどの専門店が入っている大型の百貨店やショッピングセンターでしたら、スーパー部門も含めてその箱で仕事をしている人は2,000人程度いるはずです。
同じショッピングセンターで働く従業員向け割引などよくありますよ。
大手も取り入れているのですから、もし近場になければ取り入れてください。
ショッピングセンター内でこうしたシステムを導入しやすいのは、日用品や消耗品・飲食ブースが圧倒的です。
自社の服を着て、自分自身がマネキンになるアパレル以外なら効果あります。
コロナ禍にこの記事を出すのは不謹慎かと思いましたが、厳しい飲食業界の中でも生き残れるスタイルだけでも紹介したかったので記事にしました。
この時期に飲食業界向けの記事を書くのは難しいです。
じゅうたんスタイル営業のまとめです
- 同業者の仕事帰りのお店として
- 隙間産業だと認識しましょう
- 小さな繁華街であっても需要は必ずあり通用します
- バックのシステム導入で利用頻度もあがる
- 実は百貨店やショッピングセンターでも取り入れられている
もしかしたら「じゅうたんスタイル」は商売の本質かもしれないです。
いつしか忘れてしまった気持ちを書いている気がします。
開店当初は、認知度もなく能力も経験も乏しいからこそ当たり前に自然とこのスタイルになっていました。
これから起業する人は受け入れやすいはずです。
一度こうしたスタイルから離れてしまった人が、もう一度戻ることの方が難しいでしょうね。