各省庁から続々発表になる助成金や補助金。
今回は、かなり見落としがちな助成金を紹介します。
国税庁から各都道府県に向けて、月次支援金に対して追加支援を各自治体で行うよう事務連絡がありました。
酒税で支援策を行うのですが、納税者に還元してくれるのが嬉しいですね。
月次支援金(旧一時支援金)の「支援額が少ない」または「条件が厳しい」と嘆いていた方には朗報です。
追加支援金と条件の緩和
助成金の追加支援
法人に月額20万円、個人事業は月額10万円と、支援額が少なすぎるという声が多く聞かれる月次支援金(旧一時支援金)。
国税庁からの事務連絡で、各都道府県が追加支援や条件の緩和を積極的に行なってくれています。
地域ごとの支援なので、ニュースになりづらく見落としがちです。
追加支援は「金額」「条件緩和」「補助支援」の3種類からなっています。
まずは金額上乗せの例から紹介しますね。
【参考】高知県の取り組み
高知県では、一時支援金の時にすでに金額上乗せを行なっています。
対応が早い自治体は助かりますね。
独自の支援策は、法人で上限40万円・個人で上限20万円(月単位)。
高知県での該当事業者は嬉しい支援策ですね。単純に支援金2倍です。
【参考】広島県の取り組み
広島県も一時支援金の頃から積極的に追加支援を行いました。
もちろん国の支援金に上乗せですから、ダブルで受給できます。
独自の支援策は、一事業者あたり一律30万円。
法人・個人での差別化はなく、一律でわかりやすい追加支援ですね。

対象事業者の条件緩和
支給金額の上乗せの他に、対象事業者の条件緩和も行われています。
売上減少が前年比50%以上という非常に厳しい条件から、30%以上へと条件緩和を独自に行なう自治体が出てきています。
金額も条件もどちらも厳しい助成金でしたが、各自治体の積極的な取り組みで、金額の上乗せや条件の緩和されています。
【参考】高知県・広島県の取り組み
「令和2年12月、令和3年1月の売上が前年比30%以上減少した高知県内の企業または個人で、営業時間を短縮した飲食店等と直接・間接の取引がある者」となっています。
国で定めた50%以上の減少から30%に緩和されています。
全国各地の自治体で条件緩和を行う場合は、大多数が30%以上の売上減少に条件を緩和しているようです。
売上減少10%でも適用という地域もあります。
また「休業や時短に応じた飲食店との取引がある事業者」という定義を調べてみると、ある程度拡大解釈しても適用になったという事例が見受けられます。
線引きがかなり曖昧なので対象かどうかわからない時は自分で判断せずに、ダメもとで申請してみてはいかがでしょうか。
【参考】東京都の取り組み(5月28日版)
東京都では、緊急事態宣言延長が発表された5月28日に早速6月分の独自支援策が発表されました。
上記の画像の通りですが、ここで注目なのが「月次支援金の支給外となる事業者の一部まで対象事業者を拡大」となっている点です。
対象者の線引きがグレーなので、思い切って支給対象外まで拡大となってます。
自治体独自の判断基準になりますので、所在地の自治体に「助成金の上乗せはないか」「受給対象者になるか」忘れずに確認してください。
その他の補助支援
その他の補助支援は自治体ごとの特色があって様々ですね。
やはり多いのが「通販サイトでの酒類の販売」や「地元銘柄の酒類販売の諸費用」ですね。
店舗での酒類販売が落ちているので、それに代わる販売手段やプロモーションは助成金の対象になるようです。
【参考】各地の支援金対象事案
- 山梨ワインの販売促進:イベント開催費用・広告費用
- 滋賀県産酒の販売促進:ノベルティー費用・地酒販売送料の助成
- 福岡県産酒の販売促進:セット販売の助成・地酒PR費用の助成
所在地での取り組みを確認する

月次支援金上乗せ・条件緩和のまとめです
- 助成金額の上乗せについて
- 助成対象者の条件緩和について
- その他の事業者でも助成対象となる取り組みについて
- 都道府県・市町村ごとのホームページを確認すること
たくさんあって見逃しがちな助成金の中でも、自治体単位のものはかなり見逃されているのが現状です。
なかなか地方自治体単位での告知が難しかったり、ローカルニュースだと取り上げられる機会も少ないからですね。
これは事業者自身が検索して、受給漏れを防ぐのが最善策です。
今回は「月次支援金」でしたが自治体独自のものは今後もたくさん出てくるはずなので、所在地のサイトはまめにチェックしましょう。