キッチンカー販売で必ず必要な許可が保健所の営業許可です。
大変だと思っている方がとても多いです。今回は実は簡単だった申請の流れについて説明していきます。
※流れの説明の後に注意点や参照リンク先を載せておきます
簡単で早い取得方法
結論からいうと、電子申請を使わずに保健所に行くことです!
電子申請も自宅で楽なイメージがありますが、保健所とやりとりした方が圧倒的に早くて簡単です。申請の代行業者みたいな怪しい業者もいるようですがお金の無駄なので控えましょう。(その費用はキッチンカーの備品にでも使って下さい 笑)
最短ルート
それではサクサクいきましょう。流れはこうです。
※流れの説明の後に注意点やリンク先を載せておきます。
- お住まいの地域の保健所を訪れる
- 申請書作成と添付書類を揃える
- 保健所に車両に乗って提出に行く
- 一週間くらいで許可証が届く
以上です。それではそれぞれ説明しますね。
お住まいの地域の保健所を訪れる
営業する地域の保健所に出向いて、キッチンカーの営業許可申請といえばすぐ対応してくれます。最初は申請書をいただいて来るだけです。
気をつけなければいけないのが次の2点。
- 営業場所が他の都道府県にまたがる時
- 地域によって若干異なる箇所がある
例えば「埼玉で営業許可を取ってイベントで横浜に出店する」という時は、埼玉と神奈川でそれぞれ営業許可を取っている必要があります。
地域によって基準が若干違うことがあります。保健所の担当者に申請で注意するポイントがあるか尋ねてみましょう。
※厚生労働省:保健所管轄区域案内
申請書を作成する
営業許可申請書:表面
- 「営業許可」と「新規」に丸
- 住所/氏名/生年月日など記載
- 地域の所在地は「県内一円」などでOK
- 食品衛生責任者に記載(自分以外も可)
- 取り扱い商品は「調理品」
- HACCP取り入れるにチェック
- 担当者に名前記載(自分以外も可)
営業許可申請書:裏面
- 車両番号(ナンバー記載)
- 営業許可業種に飲食店営業(自動車営業)
- 備考欄は自治体によって記載必要(保管場所と仕込み場所の住所です)
添付書類を揃える
自治体によって多少違いますのが難しいものは求められません。ざっと次の通りです
- ボックス内設備を別紙に記載
- 車内平面図は作成しなくても購入先から頂きましょう
- 車検証
- 食品衛生責任者不在の場合は誓約書
- 自治体によっては取扱メニュー表
- 申請手数料:18,000〜20,000円程度
- 法人の場合は登記事項証明書
※食品衛生責任者は一日講習で取れます。まだ取っていない場合は、資格者講習の日程を教えてくれるので、受講の予約を取ればOKです
※車両平面図内に設置した冷蔵庫やシンク、厨房機器の配置を記載します
保健所に車両に乗って提出に行く
申請書類と添付書類が揃ったら、キッチンカーに乗って保健所に行きます。キッチンカーと平面図に記載のある設備が合致しているか照らし合わせてくれます。
問題なければOKで、申請手数料を納めて終了です。
一週間くらいで許可証が届く
一週間から二週間で許可証が届きます。
最短で欲しいときは「保健所に取りに来ます」と伝えれば、「何日の何時以降に取りに来て下さい」と教えてくれるはずです。発行までの間に出店してしまいたい場合は「保健所許可車」の簡易的な印刷物をダッシュボードに載せて営業するのも可能です。なので、届くまで待たずに保健所を出たその瞬間から営業に向けて走り出しましょう!
行政への書類作成と聞くとアレルギーが発生しますよね 笑。保健所許可申請はとてもシンプルでサクサク進むので、そんなアレルギーを少しでも解消するきっかけになります。
事業をはじめるといろんな場面で書類作成が求められます。一つ自分でクリアすると次回からもきっと向かい合う事が出来るはずです。
注意点と電子申請
いくつか注意点と電子申請希望方へ簡単なご案内です。
そもそもキッチンカー自体が許可の条件を満たしていないといけないのですが、自作の場合も車両だけ調達したというケースもありますので説明していきますね。
営業許可を満たすキッチンカー
キッチンカー販売業車でしたら、ほとんどが保健所許可通過の状態で納車してくれますが、販売した事がない業者や自作のDIYで製作する方はボックス内の条件を満たす仕様でなければいけません。
取り扱うメニューによっては設備の基準が違います。また地域によっても多少の違いがありますが、まずは基本的な条件について説明していきます。
基本的な営業許可条件
気を付ける設備は下線を引いておきます
- 調理場とお客様とのスペースが分かれている
- 給排水タンクの容量(メニュー・車両の大きさによる)
- シンクの数(基本2つ)
- 販売窓のサッシの有無(網戸設置)
- 非接触型蛇口(肘などでも蛇口を操作できる)
- 床や壁などの材質
- 温度計の設置
- 手洗い用の蛇口
- 排水要領の確認
給排水のタンクの大きさはメニューと提供の仕方によって変わりますので、購入する前に保健所に問い合わせて下さい。40ℓ・80ℓ・200ℓで分かれています。
販売窓には網戸の設置が義務付けられました。こちらもしばらく製作していない業者でしたら見落としがちです。
蛇口も肘などで操作できるタイプが義務付けられました。特に中古のキッチンカーを購入した際には対応していない場合が多いので注意が必要です。
仕込み場所
車内で簡単な盛り付けや加熱のみで提供する場合は、仕込み場所が必要になります(地域によっては不要)仕込み場所も営業許可を取っている施設になりますから、知人の飲食店の厨房を借りるのが最初は一番手っ取り早いです。
また、キッチンカー仲間で共同で施設を使用している場合もありますね。既存の飲食店をお持ちの場合はその店舗でOKです。
仕込みを必要としないメニューもありますから、その場合は必要ありません。仕込み場所が必要なメニューかどうかも保健所に聞けば教えてくれます。
同一県内でも複数の営業許可
県を跨いでいなくても同一都道府県内の営業で複数の営業許可が必要な都市があります。まずはお住まいの地域の保健所をリンクから確認してみて下さい。
※厚生労働省:保健所管轄区域案内
ご覧になった通り、例えば新潟県で営業する場合は、「新潟市」と「県内のその他の地域」で2つの許可を取る必要があります。埼玉に至っては5つです!一部改正で範囲が広がった都道府県もありますので、こちらも申請する保健所に確認を取ってみて下さい。
電子申請
保健所に行かないで電子申請で済ませたいという方は下記リンクを貼っておきます。圧倒的に保健所に出向いた方が早いですよ!
説明動画もありますが、間違いのないように丁寧に作成されていますので、個人的にはかえって混乱するんじゃないかと思います。
※厚生労働省:食品衛生申請等システム
※厚生労働省:営業許可の電子申請
令和3年6月より全国一律の基準に向けて食品衛生法の改正がありました。キッチンカーの設備の基準やメニューによって細分化されていた許可が統一されるというものです。
なので、上記のようにサクサクと申請もキッチンカー製作も進みやすくなりました。ただし、念のためメニューやキッチンカー製作の際には申請する保健所で確認をするようにして下さいね。
改正の要点は以下の通りです。
- 同一都道府県内の営業許可地域の緩和
- キッチンカーの設備基準を統一
- 営業許可業種の一本化
- 設備の一部追加(網戸設置・非接触蛇口設置)
という事で、今回は保健所許可申請の流れについてでした。実際に一度保健所に行けば、あれよあれよという間に終わりますよ 笑。営業に全力で向かえるように、書類上の仕事は早く済ませてしまって下さいね。