【2021年版・事業継続か否か】今すぐ経営者が判断すべき「勇気ある撤退」か「困難に立ち向かう」か
事業継続か廃業かの判断基準
会社に充分な体力はあるか
体力の目安はどのくらいか?
✔一般的に蓄えておくべき資金の目安としては3ヶ月分の運転資金とよくいわれますね。
業種・業態によってばらつきはありますが一度考えてみてください。明日から事業を一旦停止するとして3ヶ月賄えるだけの資金はあるでしょうか?
この目安はこれからもしっかりと意識していきましょう。資金の蓄え(会社でいえば内部留保)をしっかり管理することは大切な使命です。
蓄えは経営者の信用です
※3ヶ月分の資金繰りにまわせる余裕ができるまで贅沢は控えましょう 笑。
借入金・補助金を利用する
事業は継続できる内容であっても、この先に向けて充分な蓄えがないという方は借入金や補助金を利用して備えるという手段もありです。
✔この先、いつ自粛要請がどの業種にやってくるかわかりません。資金ショートを起こしてしまう事態に陥らないためにも、早めの資金の手当をしておくことは大切なことです。
執筆時(2021年2月)現在のオススメ制度
特定の業種に絞らないで現在オススメな制度は下記の3点。受給資格や適用資格がある場合は、今の業種にあう機関のサイトを眺める癖をつけてくださいね。
- 日本政策金融公庫は災害に備えてセーフティネット枠という融資枠を設けていました。さらに特別に新型コロナウイルス感染症特別貸付が設けられています。政府系の金融機関ですから保証協会も必要ありません。
- 一般的に金融機関が融資を行う時は、信用保証協会の保証を受けられるかどうかにかかっています。昨年から導入された5年間の返済据置融資も保証協会抜きではダメです。しかしそんな保証協会にも融資枠があります。今回は特別に危機関連保証枠が設けられましたので検討してみてください。
- 生産性革命推進事業補助金とは、コロナ禍で事業の内容を見直したり新たな試みに挑戦することもあります。そのための補助金制度です。補助金ですから実際にかかった費用の一部を補助してもらえるわけです。当然資金の支出が先になります。
✔今回とは別に、今後休業要請があった際には忘れずに雇用調整助成金(厚生労働省)を利用しましょうね。
時間がかかります
新たな取り組みか事業の見直し
今の経営状態を基準にしましょう
バブル後と同じ状況です
✔まずは現在の厳しい経済情勢を基準に考えるところからはじめましょう。
バブルの時と同じです。体験していない方も多いでしょうが、バブルの時もまたそのうち景気が戻ってくるとのんびりしていた経営者達はどんどん姿を消していきました。
経営の現場は報道よりも厳しいです
今年(2021年)初めに「コロナ廃業が全国で5万件を超えた」という報道がありました。実際はそんな数ではないはずです。キチンと廃業届まで提出して廃業した事業者が全体の何割くらいにのぼるのかを想像しただけでもわかることです。
現状をしっかり把握して危機感を持って取り組みましょう。
事業の戦略変更か代替案を実行する
- 事業戦略の変更(やり方の改革)
- 事業自体の変更(やることの改革)
事業戦略の変更
戦略の変更とは現在の事業の仕組みの見直しであったり、お客様へのアプローチの変更です。ポイントとなるのは一時的なものではないというところです。
改革例としましてはストック型ビジネスの取り入れや取引先といち早く共同で始める新しいサービスになります。取引先との共同の戦略は自分の事業と付随している取引企業も厳しい直面にいますから、トップ同士で斬新なサービスを生み出せる機会です。
事業自体の変更
事業自体の変更は大きな決断になりますから、別事業として取り入れるのがベターです。こうした改革に関しては助成金や補助金も見込めます。新たな雇用も生まれるようでしたらそちらも補助金が出ます。
- 「どうの程度の時間が必要か」
- 「継続性はあるか」
- 「リターンはどの程度か」
- 「初期費用の回収にはどのくらいかかるのか」
- 「失敗した際の損失」
といったところをしっかり把握して踏み出さなければいけません。
BCP(事業継続計画)について
中小零細企業にも必要な指標
世の中の企業は95%以上が中小零細企業です。ですから報道される大企業に義務付けられていることや大企業向けの政策などは当てはまらないものが多いです。しかし、BCPは各事業所単位で取り入れるべきでしょうね。
作成する過程が大切
フォーマット抜粋
- 欠かせない人材や顧客の洗い直し
(売上シェアなどで大切な取引先や顧客、従業員) - 事業継続にあたり必要な業務の優先順位
- 事業の代替案
影響を受ける事業を継続するなら
勇気ある撤退の決断
資金が尽きる前に決断を
恥ずかしいことではない
継続か廃業か悩んでいる方がいましたらまずお伝えしたいのが「事業をたたむことは決して恥ずかしい決断ではない」ということ。撤退の決断の方が勇気が必要で難しいのです。
撤退という考えで
事業をたたむことはなかなか決断できるものではありませんが、もし何の解決策もなく先細りであればいずれ資金が枯渇した時に決断しなければいけません。
そうした時は「会社を潰した」「廃業した」というネガティブな捉え方ではなく、一旦撤退するんだというふうに考えてください。「勇気ある撤退」なんて言葉もあるくらいですから。
情けない感情は捨てましょう
社長(事業主)という肩書きに囚われていないでしょうか。
自分の体裁ばかり考えて大切な判断ができないのは経営者として情けないことです。もしそうであればもともと経営者には向いていなかったと思います。そうした考えは取り除いて判断しましょうね。