開業資金の融資は自己資金で3分の1は貯めておくと出やすいです。
必ず出る保証はありませんが、目安として一般的です。
貯金はないけど今すぐ始めたいという人と、計画的に貯めてからという人とを別れるところですね。
結論からいえば、今すぐ小さくはじめることです。
なかには予期せぬ収入が入って急に起業に踏み切る人もいます。
そういう人は違う形でビジネスを考えたほうがいいでしょう。
開業資金を貯める時間
もちろん自己資金はあったほうがいいのですが、今すぐ始めるのを勧める理由は時間についてが一番です。
以下の場合は、貯金してからはじめても全然いいと思います。
- ネット業界のように動きの早い業界でないこと
- 貯金が貯まる(起業する)ときの環境の問題
- 先行者利益がある業種ではないこと
動きの早い業界ではないか
ネット業界に代表されるように時代の移り変わりが早い業種は、資金が貯まる頃には環境もガラリと変わっている可能性があります。
事業としてやろうとしている形もありふれているかも知れません。
斬新なアイデアもスタイルも古くなっている可能性が高いです。
計画的にいつ起業するかを決めて貯金するのは、時代に左右されない業種が望ましいですね。
起業するときの環境
今は独身でも起業する時には結婚しているかも知れません。
両親も歳を重ねて、資金的にも面倒を見なければいけないかも知れません。
自分の人生だけ考えていられる時間は実はあまり長くはありません。
貯金している期間に環境が変わることも頭に入れておきましょう。
先行者利益がある業種ではないか
将来性があって始まったばかりのサービスは、「先にやった者勝ち」です。
先行者利益っていうやつですね。
僕が体験した業界でいえば「カラオケ」と「携帯電話」が大きいです。
どちらも世の中に出たばかりの時代を体験しました。
最初から携わっている人は、どちらも大きな企業になりました。
これからも「あの時やっておけば…」というサービスは必ず出てきます。
その時はなかなか気付かないものなんですよね 笑。
貯金は信頼も得られる
自己資金を貯めるともちろんメリットがあります。
- 開業資金の融資を受けられる
- 金融機関に対して信頼を得られる
- お金の大切さを覚える
開業資金の融資が受けられる
冒頭にふれた通り開業資金が出やすくなります。
事業としての内容も見られるので必ず出るわけではありませんが、資金が下りる可能性は高いでしょう。
利用を考えている方は、国民政策金融公庫や一般の金融機関で取り扱っている制度資金をチェックしてみましょう。
※金額や条件は変わりますので利用の際に再度チェックしてください。
金融機関に対して信頼を得られる
貯金をしてから開業する場合は、計画的にコツコツと貯めた努力が金融機関への信頼にもなります。
ここで確認して欲しいのは、過去に延滞したことがないか。
延滞履歴があると、貯金していても信頼を得ることができません。
お金の大切さを覚える
貯金をしている人は感じていると思います。
生活を切り詰めてもなかなか貯まりませんからね。
貯金をしたことのない人の一番の欠点でもあります。
お金を貯めることの大変さを実感していると、融資が出たり売上を手にしたりしても勘違いしないでしょうね。
今すぐはじめる時は小さくはじめること
以下の条件に当てはまっていれば、起業するなら今すぐはじめるべきです。
- 変化が早い事業(注:10年後を見極めること)
- 多額の資金リスクが発生しない事業
変化の流れが早い事業をはじめる
起業してからのアイデアがあれば、時間が経てば経つほどアイデアが腐ってしまう危険性があります。
ただ気をつけて欲しいのは、流行りモノではないかということ。
一時の流行りのようなモノだとリスクをおかして急ぐ必要はありません。
少なくとも10年後もしっかり需要のあるサービスであることです。
このサービスで資金を作って次に繋げるという計画ならありかも知れません。
多額の資金リスクを負わないこと
貯金がなくはじめる事業であれば小さくはじめることです。
先ほども述べましたが、お金の重さも知らないで多額の借金を背負ってはじめるべきではありません。
小さくはじめて大きく育てればいいのです。
最初からいい格好しちゃ絶対いけません。
資金がないのなら、借金を抱えても最初は車一台分にしましょう。
車一台分くらいの借金なら、何かあっても廃車にしたくらいだと気持ちも切り替えられるはずです。
過去記事でも取り上げていますので参考にしてみてください。
僕は自己資金もろくに貯めずにはじめたほうです。
コツコツ貯めて計画的に起業した仲間とは、スタートラインから資金的に大きな差がありました。(当たり前ですね)
自己資金を作る努力をしなかったのですから、起業してから人一倍必死にやらなければいけません。
タイムイズマネー(時は金なり)という言葉もあります。
起業したら常に動いて時間を無駄にしないこと、付き合いが悪くなったと言われても遊ぶ時間は取らないことです。
何かを捨てる覚悟がなければいけません。
急に大きな収入が入ったケース
会計事務所時代ですから30年くらい前ですが、宝くじが当たって事業をはじめた顧客を持ったことがあります。
これは稀なケースですが、相続などではよくあるのではないでしょうか。
起業することなど頭になかったけど、急に環境が変わったので思いつきではじめるのならオススメできません。
オーナー業なら違う形のビジネスを検討しましょう。
金銭感覚が麻痺している場合が多い
相続でもギャンブルでも、思いがけずに大きな資金が入ってくると「何に使おうか」と考えるものです。
老後の資金に貯金しておこうと考える人の方が少ないはずです。
普段から扱わないような金額であればあるほど感覚が麻痺します。
お金は段階的に増えていかないと怖いモノなんです。
失敗前提の起業ではないか
そこで事業でもやってみようかとなったら、必ず失敗しても蓄えは残してはじめますね。
もちろん残すべきですが、感覚的に「失敗してもいい」という気持ちで始めるのならやらない方がいいです。
取引先や、人を雇ったら貴重な人生の時間も無駄にしてしまうのですから。
どうしても何かしたい時はオーナー業か投資に回した方がいいですよ。
フランチャイズならオーナー業としてビジネスとして形ができていますし、投資なら自己責任ですみますから。
土地などの不動産の購入でもいいかも知れませんね。
貯金があることは学歴に似ている
しっかり貯めて起業する人とない人は、学歴がある人とない人の違いに似ています。
立派な学歴がある人っていうのは、それまで遊ぶ時間を犠牲に努力をしてきた過程があります。
社会人になってスタートラインから初任給などで差があるのは当たり前のことですね。
起業も同じで社会的信用という部分で違ってきます。
貯金がなく始める場合は、資金的にも信用度もハンデがあって当たり前ですからしっかり受け止めてはじめてくださいね。
開業に貯金は必要かのまとめです
- 起業するのは動きの早い業界かどうか
- 起業するときの環境を考慮すること
- 先行者利益のある業種かどうか
- 貯金は第三者から信頼も得られる
- 資金がない場合は小さくはじめること
- 思いがけない資金ならオーナー業か投資へ
今は副業が当たり前の時代ですから、副業をやっているうちに起業を考える人も多いです。
一昔前と違ってステップアップ期間があるので、より起業が身近になったのではないでしょうか。
成功しやすくなったこといえばそうでもありません。
ハードルが下がった分ライバルは、かえって多いかも知れません。
時代を変えるくらいの大きな志を持って挑んでくださいね。